ブラックリストに載ると住宅ローンは組めない?審査に通るための対策も
この記事では、住宅ローンとブラックリストについて詳しく解説します。
ブラックリストに載ると住宅ローンが組めないという話を聞いたことがある人は少なくありません。ブラックリストに名前が載ってしまうと住宅ローンに大きく影響します。
本記事では、ブラックリストの概要やブラックリストに載っていても住宅ローン審査に通る対処法を解説します。住宅ローンの借入を検討している人や自身がブラックリストに載っていないか不安な人は、ぜひ本記事を最後までお読みください。
【この記事でわかること】
● ブラックリストとは
● ブラックリストに載ると住宅ローンは組めないのか
● 自分がブラックリストに載っているかを確認する方法
● ブラックリストでも住宅ローン審査に通るための対処法
そもそもブラックリストとは?
「ブラックリストに載る」とは、信用情報機関によって作成された金融事故記録に名前が記載された状態を指します。
- ブラックリストに載ってしまう一般的なケース
- ブラックリストに載るデメリット
- ブラックリストの記録が残る期間
ここでは上記3点を詳しく解説します。
ブラックリストに載ってしまう一般的なケース
ローンの支払いが滞っている場合や延滞を頻繁に起こした場合、信用情報機関から金融事故とみなされてしまい、事故記録に名前が記載されます。
自己破産などの債務整理も同様です。税金を滞納した場合や短期間に複数先から借入した場合でも、事故記録に名前が載ることがあります。
上記のようなケースに該当する場合は、ブラックリストに名前が載っているおそれがあるといえます。
ブラックリストに載るデメリット
ブラックリストに名前が載ることは、一度長期滞納などの金融事故を起こしていることを示し、基本的にローンなどを借りられません。また、クレジットカードが使えなくなってしまい、分割払いを利用できなくなります。
ローンなどの保証人を頼まれた場合、ブラックリストに載っている人が保証人であると審査に通らないおそれがあります。
ブラックリストに記載されることで、さまざまなリスクを負ってしまうといえます。
ブラックリストの記録が残る期間
ブラックリストに記載されるような金融事故を起こした場合、ブラックリストからいつ名前が消えるか気になるでしょう。
ブラックリストに一生名前が残るわけではありません。一定の期間を経過すると名前が消えますが、信用情報機関によって記載期間が異なります。
また、起こした金融事故によっても掲載期間に差があります。一般的に、自己破産などの債務整理では5〜7年程度、クレジットカードや携帯電話の滞納では5年程度が目安です。
ブラックリストに載ると住宅ローンは組めないのか
必ずしも利用できないわけではありませんが、基本的にブラックリストに記載されると、住宅ローンを組むことが非常に困難だといえます。
ブラックリストに記載された状態は、金融事故を起こして借金の返済などに関する信頼性が著しく低下した状態を示します。借金の返済に対する信頼性が低い人へ住宅ローンなどの長期間融資を承諾する金融機関は、ほとんどありません。
ブラックリストに記載されている人の住宅ローン利用は、非常に難しいといえます。
自分がブラックリストに載っているかを確認する方法
自分がブラックリストに載っているかを確認する手段として、以下3点の信用情報機関が挙げられます。
- JICCに開示請求する
- KSCに開示請求する
- CICに開示請求する
ここからは、ブラックリストに載っているかを確認する方法を解説します。
JICCに開示請求する
JICCでは、利用金額・残高・遅延・法的手続きの有無などを確認できます。
JICCに開示請求する方法は、スマートフォンと郵送による開示請求です。窓口に訪問して開示することも可能ですが、現在は休止されています。
スマートフォンによる開示請求は、アプリをダウンロードすれば基本的にいつでも請求可能です。しかし午前3時〜4時・第3木曜日の午前0時〜8時、メンテナンス報告があった日などは開示請求をできません。
利用手数料1,000円(税込)をクレジット払いなどで支払えば、開示請求できます。
郵送などを利用する場合は、信用情報開示申込書の記載と本人確認書類を郵送し手数料を支払うと、10日前後で結果が郵送されます。
※参考:本人による開示申し込み(スマホ申込)|開示を申し込む|開示サービス|日本信用情報機構(JICC)指定信用情報機関
KSCに開示請求する
KSCでは、金融機関からの借り入れ情報や支払い状況などを確認できます。開示請求の方法は、インターネットと郵送の2種類です。
インターネットを利用する場合の手数料は1,000円(税込)で、マイナンバーや写真付き本人確認書類が必要です。
郵送による確認では、記入した登録情報開示申込書と本人確認書類のコピーなどを郵送すると、10日前後で簡易書留や本人限定受取郵便(特例型)により開示報告書が郵送されます。
※参考:本人開示の手続き|全国銀行個人信用情報センター|一般社団法人 全国銀行協会
CICに開示請求する
CICでは、クレジット情報や申込情報、利用記録や参考情報などを確認できます。開示請求方法にはインターネットと郵送の2種類があり、窓口対応は現在休止中です。
インターネット開示の対応時間は8:00~21:45で、基本的にこの時間帯は365日利用可能です。クレジット契約で利用した電話番号や利用手数料の500〜1,500円(税込)を準備すると、開示請求できます。
郵送の場合、信用情報開示申込書を記入して本人確認書類・手数料などを準備して郵送すると、10日前後で開示報告書類が届きます。
ブラックリストでも住宅ローン審査に通るための対処法
ブラックリストに載っていても住宅ローン審査に通るための対処法として、以下の5点を挙げました。
- 属性を改善する
- 頭金を多めに準備して借入額を減らす
- 他の借入を返済して返済負担率を下げる
- 審査を申し込む金融機関を変更する
- ブラックリストから消えるまで待つ
それぞれ解説します。
属性を改善する
属性とは職業や年収、勤続年数などを指し、これらの属性を改善すると住宅ローンに通りやすくなる場合があります。
住宅ローン審査では属性が審査対象の1つであり、年収などが高くなれば審査に通りやすくなるでしょう。勤続年数に関しても、一定の勤続年数になった時点で住宅ローンの審査を受けるなどの対策が可能です。
これらの属性改善は、住宅ローン審査に通るための効果的な対処方法です。
頭金を多めに準備して借入額を減らす
頭金とは、家の購入に支払う自己資金を指します。頭金が多ければ借入する住宅ローンの金額が少なくなるため、審査に有利となります。
また、自己資金が多いと貯蓄能力があるとみなされるので、審査にとってプラス要因です。
頭金を多めに準備することも、効果的なブラックリスト対策といえます。
他の借入を返済して返済負担率を下げる
返済負担率とは年収に対する総返済額の割合を示したもので、返済負担率が高くなると審査で不利になるケースが見受けられます。
多くの金融機関では、返済負担率は30〜35%を上限とするケースが多いといわれています。そのため、他の借入などを返済して、住宅ローンが加わった場合の返済負担率を下げなければなりません。
返済負担率を25%以内に抑えられると、住宅ローンの審査にもよい影響となります。
審査を申し込む金融機関を変更する
住宅ローン審査の内容は金融機関によってさまざまです。
「ある金融機関の審査には落ちたけど別の金融機関では通った」という事例は珍しくありません。住宅ローンの審査に一度落ちた場合、融資条件や属性を変えずに金融機関を変えただけで、審査に通るケースがあります。
しかし、2〜3箇所の金融機関で審査が通らなければ、基本的に現在の条件ではほとんどの審査は通りません。金融機関の変更は、2つか3つに留めておくことがよいでしょう。
ブラックリストから消えるまで待つ
ここまで対処法を解説しましたが、それでもブラックリストに記載されていると審査に通るかどうかわかりません。ブラックリストに記載されたことはローンなどに対して大きく影響するため、どれほど対策をしても審査に通らないこともあります。
そのため、ブラックリストから外れるまで待つことも1つの方法です。
しかし、ブラックリストから名前が外れるのは通常5年程度で、長ければ7〜10年程度記載されるケースがあります。長期間の我慢が必要になるおそれがあります。
ブラックリストに関するよくある質問
ブラックリストに関するよくある質問として以下の3点を挙げました。
- ブラックリストに載っている異動情報は自分で消せる?
- 旦那がブラックリストに載っていると住宅ローンは組めない?
- ブラックリストの人がフラット35の審査に通ったって本当?
それぞれ詳しく解説します。
ブラックリストに載っている異動情報は自分で消せる?
基本的に、ブラックリストに載っている異動情報は自分では消せません。
間違いなどがあった場合は申し立てなどをできますが、実際に金額事故などを起こしている場合に異動情報を自分で消すことは不可能です。
一度ブラックリストに載ってしまうと最短5年、遅くとも7〜10年は記載されると考えておきましょう。
旦那がブラックリストに載っていると住宅ローンは組めない?
旦那(配偶者)がブラックリストに記載されている場合、夫婦合算ローンを組む場合や旦那(配偶者)が保証人になっている場合は、住宅ローン審査に大きく影響します。
旦那(配偶者)が住宅ローンに何も影響しない立場の場合は、審査に大きく影響しません。ブラックリストに名前が載っている人を住宅ローンに関連付けしないことをおすすめします。
ブラックリストの人がフラット35の審査に通ったって本当?
ブラックリストに載っていたとしても、金融機関を変えれば審査に通るケースがあります。
一般的に、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携したフラット35の審査は、他の金融機関と比較すると審査が厳しくないといわれます。他の金融機関で落ちても、フラット35で通る可能性は十分にあります。
ブラックリストに載っている状態での住宅ローン審査は困難
ブラックリストに載ると住宅ローン審査に大きく影響します。万が一ブラックリストに載っている場合は、この記事で解説した対処法を試してみてください。
しかし、対策を実行してもローン審査に通らない場合があります。住宅ローンの審査に通るかどうかわかりません。ブラックリストが消えるのは最長だと7〜10年後であるため、まだブラックリストに載っていない人は、今後も載らないように注意しましょう。
また、住宅ローンに関する不安がある人は、担当のハウスメーカーや工務店などに相談することがおすすめです。
宮城県で注文住宅を提供するアイフルホームでは、住宅ローンを始めとした多くの相談を受け付けています。家づくりに関する不安を抱える人は、ぜひ一度アイフルホームにご相談ください。
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※金利や制度は2023年11月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。