新築住宅の固定資産税はいくらが目安?計算方法や支払い時期も解説

新築住宅の固定資産税はいくらが目安?計算方法や支払い時期も解説

新築住宅の購入は一生のうちで数少ない大きな買い物の1つであり、その際に考慮するべき重要なポイントといえるのが固定資産税です。

新築住宅を持つことで、固定資産税の支払い義務が発生します。しかし、具体的にいくら払わなければならないのか、固定資産税がいくらになるのかを予測することは難しいでしょう。

本記事では、新築住宅の固定資産税がどのように計算されるのか、また目安となる金額はいくらなのかを詳しく解説します。さらに、固定資産税の支払い時期や軽減措置についても解説していきます。これらの情報を活用し、新築住宅購入の計画を立てる際の参考にしてみてください。

【この記事でわかること】

● 新築の固定資産税はいくらが目安なのか

● 固定資産税の計算方法

● 軽減措置やシミュレーション

そもそも新築住宅の固定資産税とは?

新しい住まいを取得した場合、所有者が負担すべきコストとして固定資産税が挙げられます。

固定資産税とは、不動産の所有者に対して課せられる地方税の1つで、マイホームなどを建築・取得した場合、土地と建物双方に対して課税されます。

不動産を所有している限り課税対象です。税率はほとんどの地方自治体では1.4%ですが、地域によっても税率が異なるため、注意しましょう。

新築住宅の固定資産税はいくらが目安?

固定資産税の金額の目安は一概にはいえません。前述したように、地方税は土地と建物に対して課税されます。

土地の場合は固定資産税評価額に対し、一定の税率をかけて算出しなければなりません。

建物の場合は建築費の60%前後が評価額とされるため、土地と同じように一定の税率をかけて税額を計算します。

ほとんどの自治体では1.4%の税率で算出していることが一般的です。建物の建築費は全国どこでもそこまで大きな違いはありません。

例えば、建築費が2,500万円の場合、その60%にあたる1,500万円が評価額となります。そして、1,500万円に1.4%をかけた21万円程度が建物の税額です。

ただし、土地の価格はエリアによって大きく異なるため、エリアの価格帯を前もって把握しておくとよいでしょう。

また3年に1度、評価額の見直しが行われます。経済状況やエリアの環境などが好転すると、地価の上昇に沿って、評価額が高く設定される場合もあります。

固定資産税の金額は、市況などが大きく影響する点も特徴の1つです。

新築住宅における固定資産税の計算方法

ここからは、税額の計算方法を土地部分と建物部分に分けて詳しく解説します。

  • 土地の固定資産税
  • 建物の固定資産税

順番に見ていきましょう。

土地の固定資産税

土地の計算方法は、土地の評価額×税率(1.4%)で求められます。

土地の評価額は、固定資産課税台帳に記載された土地の評価額(1㎡あたりの評価額)に広さをかけて、算出します。

土地の評価額を算出したら、税率(1.4%)をかけることで税額が算出可能です。

※参考:固定資産税|総務省

建物の固定資産税

建物の税額を求める場合、新築のため評価額がわかりません。なぜなら、評価額を算出するにあたって、建築費用が大きく影響するからです。

一般的には、建築費の60%相当が評価額とされます。建物の評価額に税率1.4%をかけることで固定資産税が算出可能です。

※参考:固定資産税|総務省

新築住宅の固定資産税を支払う時期・方法

自治体によって異なりますが、6月・9月・12月・2月の4回に分けて納税するのが一般的です。

土地と建物を取得した翌年の4月〜6月を目処に納税通知書が届きます。納税通知書は、各地方自治体から所有者の住所へ送られます。

納税通知書が届く対象者は、1月1日時点の所有者であるので、新築住宅取得の翌年1月1日時点から税金が発生すると考えておくとよいでしょう。

納税通知書が届いたら、同封された納付書に従って納付しましょう。

新築住宅における固定資産税の軽減措置

新築住宅の固定資産税について計算方法などを解説してきましたが、一定の要件を満たすと軽減措置の対象となります。

ここからは、新築住宅における軽減措置について解説していきます。

  • 土地(住宅用地)に対する軽減措置
  • 建物(新築住宅)に対する軽減措置

順番に見ていきましょう。

※参考:固定資産税|総務省

土地(住宅用地)に対する軽減措置

住宅用地として利用する場合、固定資産税の軽減措置が設けられています。建物を建築した土地は住宅用地となり、大幅に税額が抑えられるでしょう。

住宅用地の広さが200㎡以内の部分に関しては、通常の計算方法から最大6分の1の軽減措置が適用されます。また、200㎡を超える部分に関しても3分の1まで減額されます。

土地を住宅用地として活用するだけで、大きな軽減効果があるといえるでしょう。

建物(新築住宅)に対する軽減措置

一定の要件を満たした場合、建物部分にも軽減措置が適用されます。

一定の要件を満たしている場合、当初3年間、居住床面積が120㎡までの部分に関しては、通常の計算方法に基づいて算出した税額から半分に減額されます。ただし、居住床面積が120㎡を超える部分は減額されません。

また、3階建て以上の耐火建築物や準耐火建築物であれば5年間軽減措置が適用されます。非常に大きな効果があるといえるでしょう。

新築住宅の固定資産税を実際にシミュレーション

税額を算出する際、建物だと建築費によって評価額が異なります。ここからは、建築費別ごとに新築住宅における固定資産税をシミュレーションしていきます。

条件は以下の通りです。

【条件】

● 建物の評価額は建築費の60%

● 土地の評価額は3,000万円

● 広さ190㎡

  • 2,500万円の新築住宅
  • 3,000万円の新築住宅
  • 4,000万円の新築住宅

順番に見ていきましょう。

2,500万円の新築住宅

土地部分の固定資産税については、評価額×1.4%×1/6で求められます。

【土地部分の税額】

3,000万円×1.4%×1/6=70,000円

次に、建物部分の評価額は以下のように算出します。

【建物の評価額】

2,500万円×60%=1,500万円

評価額が1,500万円と算出できたので、税率(1.4%)をかけて税額を算出します。

【税額】

1,500万円×1.4%=210,000円

新築住宅の軽減措置が受けられない場合、土地と建物の税額を足すと、70,000円+210,000円=280,000円が合計の税額となります。

また、新築住宅の軽減措置が受けられる場合、税額が2分の1に軽減されます。

【軽減措置が適用される場合の税額】

210,000円×1/2=105,000円

土地と建物の税額を足すと、70,000円+105,000円=175,000円が合計の税額となります。

3,000万円の新築住宅

土地部分の固定資産税については、評価額×1.4%×1/6で求められます。

【土地部分の税額】

3,000万円×1.4%×1/6=70,000円

次に建物部分について、評価額は以下のように算出します。

【建物の評価額】

3,000万円×60%=1,800万円

評価額が1,800万円と算出できたので、税率(1.4%)をかけて税額を算出します。

【税額】

1,800万円×1.4%=252,000円

新築住宅の軽減措置が受けられない場合、土地と建物の税額を足すと、70,000円+252,000円=322,000円が合計の税額となります。

また、新築住宅の軽減措置が受けられる場合、税額が2分の1に軽減されます。

【軽減措置が適用される場合の税額】

252,000円×1/2=126,000円

土地と建物の税額を足すと、70,000円+126,000円=196,000円が合計の税額となります。

4,000万円の新築住宅

土地部分の固定資産税については、評価額×1.4%×1/6で求められます。

【土地部分の税額】

3,000万円×1.4%×1/6=70,000円

次に建物部分について、評価額は以下のように算出します。

【建物の評価額】

4,000万円×60%=2,400万円

評価額が2,400万円と算出できたので、税率(1.4%)をかけて税額を算出します。

【税額】

2,400万円×1.4%=336,000円

新築住宅の軽減措置が受けられない場合、土地と建物の税額を足すと、70,000円+336,000円=406,000円が合計の税額となります。

また、新築住宅の軽減措置が受けられる場合、税額が2分の1に軽減されます。

【軽減措置が適用される場合の税額】

336,000円×1/2=168,000円

土地と建物の税額を足すと、70,000円+168,000円=238,000円が合計の税額となります。

したがって、建築費別ごとの固定資産税額の一覧は以下の通りです。

建築費 軽減措置なしの場合の税額 軽減措置ありの場合の税額
2,500万円の新築住宅 280,000円 175,000円
3,000万円の新築住宅 322,000円 196,000円
4,000万円の新築住宅 406,000円 238,000円

軽減措置が適用できるかによって、10万円以上の差が生まれることを知っておきましょう。

新築住宅における固定資産税の注意点

ここからは、新築住宅における固定資産税の注意点を4つ解説します。

  • 滞納による遅延損害金に注意する
  • 床面積が同じでも固定資産税の金額が異なる場合がある
  • 軽減措置の申請方法を事前に把握しておく
  • 軽減措置が適用外になった場合の支払額も想定しておく

それぞれの注意点を詳しく見てみましょう。

滞納による遅延損害金に注意する

万が一滞納してしまった場合、遅延損害金が発生します。

遅延損害金の金利は、最初の1ヶ月間は年利2.4%ですが、1ヶ月を経過してしまうと年利8.7%と4倍近くの金利まで上がります。

固定資産税は年4回に分けて支払うことが一般的ですが、忘れてしまうと余計なコストが発生することに注意しなければなりません。

固定資産税は、通知書が届いたタイミングで一括払いするなどの対策が重要です。

床面積が同じでも固定資産税の金額が異なる場合がある

床面積が同じでも、固定資産税の金額が異なる場合があることに注意しましょう。

設備のグレードや建物の構造が異なると建築費も異なり、評価額に大きく影響します。すると、固定資産税の金額にも違いが生じます。新築住宅の建築時には、固定資産税のこともしっかりと頭に入れて計画しましょう。

軽減措置の申請方法を事前に把握しておく

軽減措置は申請が必要なため、申請方法を事前に把握しておきましょう。申請していなければ軽減措置を利用できず、高い税金を納めることにもなりかねません。

申請方法は、自治体の窓口で「住宅用地等申告書」を提出することです。住宅用地等申告書に記載する内容は以下の通りです。

  • 所有者の氏名や住所
  • 新築住宅の所在地
  • 新築住宅の種類や構造、床面積

建築した翌年の、1月31日までに必ず申請しましょう。

軽減措置が適用外になった場合の支払額も想定しておく

軽減措置の適用期間を過ぎてしまうと税額が一気に上がるため、適用外になった場合の支払額を想定しておく必要があります。

建物の軽減措置は、最初の請求から3年間(3階以上の耐火建築物や準耐火建築物であれば5年間)しか適用されません。

納税通知書には、土地と建物、それぞれの税額が表示されています。詳細をチェックして、適用外になったときの対策を考えておきましょう。

新築住宅の固定資産税がいくらか事前に把握しておこう

新築住宅を取得する場合、かかってくるコストとして忘れてはいけないのが税金です。

新築してすぐは軽減措置などのおかげであまり負担には感じなかったとしても、軽減措置の期間を過ぎてしまうと、税額が一気に高くなることに注意しなければなりません。

新築住宅の建築費などがある程度算出できたら、固定資産税がどの程度になるか事前に把握しておき、毎年かかってくる税額をしっかりと認識しておきましょう。

アイフルホームでは、最適な家づくりのプランを提案いたします。税金やなどのご相談も承りますので、ぜひ一度アイフルホームへお問い合わせください。

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※金利や制度は2023年5月時点のものです。

コラム監修者情報

木場昌也

二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟

入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。

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