土間のある家のメリットは?後悔しないためのポイントや間取り例も解説
本記事では、土間のある家のメリットや後悔しないためのポイント、間取り例などについて解説します。
かつては、「土間=昔の家」というイメージでした。しかし、2022年現在では土間のある暮らしが見直され、土間を設けるケースが増えています。
「土間に興味があるけれど、新築に取り入れるかどうか迷っている」という人は、本記事にぜひ最後までお付き合いください。
【この記事でわかること】
- 土間のある家のメリット
- 土間のある家のデメリット
- 土間のある家で後悔しないためのポイント
- 土間のある家の間取りパターン
そもそも土間のある家とは?
土間とは、昔ながらの日本家屋で知られている、家の中にいながら土足のまま歩ける場所のことです。
古風で、いかにも「昔の家」という印象を持つ人も少なくない土間ですが、現在は一転しておしゃれな空間という認識に変わってきています。
また、家事スペースとしての使い道だけでなく、作業場や趣味のための空間として使用されるなど、さまざまな用途に使われています。
土間のある家のメリット
土間の家には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
- 収納スペースを増やせる
- 趣味の空間として利用できる
- 室内干しのスペースを確保できる
- 子供の遊び場として活用できる
ここからは、上記4つのメリットを紹介します。
収納スペースを増やせる
土間収納として活用することで、収納スペースが増やせます。
大家族や靴を多く持っている人であれば、シューズインクローゼットを設けるのがおすすめです。靴に土や泥が付着していても、土間であればあまり気にせず使用できるでしょう。
ほかにも、以下を収納する際に適しています。
- 自転車
- アウトドア用品
- スポーツ用品
- 災害時の持ち出し袋
- ペットの散歩に必要なもの一式
このように、「外に置いておくのは盗難が心配」というものを収納する際に適しています。また、外出時に必要なものをまとめて置いておくのもよいでしょう。
趣味の空間として利用できる
家の中ではできない趣味や作業も、土間であれば気軽に楽しめます。ペンキやスプレーの使用、木くずやごみが出るような作業は、あまり室内向きであるとはいえません。
一方で、土間であれば周辺が汚れてしまうことをそれほど気にする必要がなく、掃除も簡単です。土間で楽しめる趣味の例としては、例えば以下のようなことが挙げられます。
- DIY
- 陶芸
- 絵画
- ペットのブラッシング
- 機械いじり
- ロードバイクのメンテナンス
上記のように、さまざまなことに活用できます。
室内干しのスペースを確保できる
室内干しのスペースとして利用できる点も、土間のある家のメリットです。
室内干しは、意外に場所が限られます。そのため、室内で干せる場所は貴重です。
ただし、室内干しをする際は、換気や湿気対策する必要があるので注意しましょう。
子供の遊び場として活用できる
土間のある家は、子供の遊び場としても重宝します。
雨の日でも、土間であれば外で遊ぶような感覚を味わえるでしょう。また、走り回れるような広さの土間であれば、ストレスなく思いきり遊べます。
土間のある家のデメリット
土間のある家は、メリットだけではなくデメリットもあることを抑えましょう。
- 素材によって費用に大きな差がある
- 間取りによっては居住空間が圧迫される
- 冬場は室内が冷える可能性がある
順番に見ていきましょう。
素材によって費用に大きな差がある
床の素材や工法によって、費用に大きな差が出ます。
ものによって異なりますが、天然石を使用すると床材の材料費は高額になりがちです。そのあとにタイル、コンクリート、モルタルと続きます。
高価な床材を使用した場合、土間面積が広ければかなり高額になる場合があるので注意しましょう。
間取りによっては居住空間が圧迫される
さまざまな用途に使用できて便利な土間ですが、だからといってスペースをとりすぎてしまうと、居住空間を圧迫してしまう場合もあります。
土間が充実していても、窮屈な生活を強いられるのでは、よい家づくりとはいえません。
どのように使用しどの程度の広さが必要なのかをしっかり考え、適切な広さを確保するようにしましょう。
冬場は室内が冷える可能性がある
夏場は涼しく快適な土間ですが、冬場は冷える可能性があります。
なぜなら、主に床材として使用されることの多いコンクリートやタイルは、冷気が上がってきやすいからです。
したがって、冬場でも快適に過ごせるような工夫が必要です。冬場でも長時間使用する場合は、しっかりと寒さ対策しましょう。
土間のある家で後悔しないためのポイント
ここでは、土間のある家で後悔しないためのポイントを解説します。
- 目的に応じて間取りを決める
- 特徴にあわせて床材を選ぶ
- 湿気や寒さ対策をしっかりと行う
- 照明やコンセントを設置する
順番に見ていきましょう。
目的に応じて間取りを決める
快適な土間のある家を実現させるためには、目的に応じて間取りを決めることが重要です。
目的を考慮せず感覚で決めてしまうと、使いづらさや不便さを感じてしまいます。
- 自転車の収納スペースとして利用するため、この位置にこの程度の広さが必要
- 趣味の陶芸を楽しむ空間として利用するため、この間取りであることが必要
上記のように、目的に応じて土間の間取りを決める必要があります。
特徴にあわせて床材を選ぶ
土間の床材には種類がいくつかあり、それぞれ特徴が異なります。そのため、使用目的に適したものを選ぶ必要があります。
土間に使用されることの多い床材は、主に以下のとおりです。
- コンクリート
- モルタル
- タイル
- 天然石
コンクリートやモルタルは安価でよく使用されますが、水が染み込みやすくシミになりやすい点がデメリットです。ひび割れも起こしやすいため、定期的なメンテナンスが必要となるでしょう。
タイルは基本的には水掃除で済むため、掃除の手間がかかりません。傷が付きづらく耐久性にも優れています。ただし、目地に汚れが溜まりやすいところが難点です。
高級感あふれる土間を目指すなら、御影石や大理石などの天然石がよいでしょう。ただし、ほかの床材と比べ高価です。滑りやすい点にも注意が必要です。
湿気や寒さ対策をしっかりと行う
冬の土間は冷えやすいため、断熱材や床暖房などを上手く活用して寒さ対策しましょう。
ファンヒーターやオイルヒーターなどの暖房器具を設置することもおすすめです。
また、費用はかかりますが、全館空調システムを導入する手段もあります。全館空調システムを導入すれば、土間だけでなく家全体の温度を一定に保てるでしょう。
照明やコンセントを設置する
土間は暗くなりがちです。夜間の使用や細かい作業をする可能性がある場合は、照明を設置しましょう。
コンセントも設置しておいたほうがよいでしょう。暖房器具を設置したり、シャンプー後のペットを乾かしたりと、コンセントが必要になるケースは少なくありません。
現時点で必要かどうか判断できない場合でも、あって困るものではないため、設置しておいたほうがよいでしょう。
土間のある家の間取りパターン
土間のある家の間取りパターンを5つ紹介します。
- インナーガレージとして活用する土間
- リビングとして活用する広々とした土間
- キッチンなどの家事動線とつながる土間
- 玄関に設けた収納土間
上記はあくまでも一般的な事例のため、参考程度に抑えましょう。
インナーガレージとして活用する土間
土間を、インナーガレージとして活用するのも1つです。
雨の日でも濡れることなく家の中に入れます。車やバイクをいじったあとも、そのまま家の中に入れるため便利です。
また、片隅に洗い場を設けるとドアノブに触れる前に手洗いを済ませられます。
リビングとして活用する広々とした土間
リビング全体を土間として活用するのはいかがでしょうか。思いきったやり方ですが、そういった間取りは増えています。
スペースの影響で、土間の実現が難しい場合におすすめしたい間取りです。
また、来客のもてなしにも向いています。
キッチンなどの家事動線とつながる土間
玄関から、キッチンやバスルームへと家事動線がつながる土間は、あらゆるシーンで重宝します。
雨に降られてびしょ濡れでも子供が部活帰りで汚れていても、そのままバスルームに直行できるでしょう。家の中を濡らしたり、汚したりする心配はありません。
買い物から帰ってきたときも、すぐに食材を整理できて便利です。
玄関に設けた収納土間
玄関から土間続きになっている収納土間は、土足のまま行けるのがポイントです。
自転車やベビーカー、雨具など、外で使用するものも汚れや水濡れを気にすることなく収納できます。米などの重いものの一時置き場としても活用できます。
土間のある家に関するよくある質問
最後に、土間のある家に関するよくある質問を紹介します。
- おしゃれな土間のある家を実現させるにはどうすればいい?
- 土間リビングが寒いときの対策は?
順番に見ていきましょう。
おしゃれな土間のある家を実現させるにはどうすればいい?
おしゃれな土間を実現させるには、以下の方法がおすすめです。
- おしゃれな床材を選ぶ
- 照明でおしゃれな空間を演出する
床材1つで土間の印象は大きく変わります。
例えばタイルであれば、さまざまな風合いのものがあり、カラーバリエーションも豊富です。コンクリートやモルタルであれば、シンプルでモダンな雰囲気を出せます。
照明は、間接照明を使用するとおしゃれになるでしょう。また、眩しさを感じない優しい光は、帰宅した際ほっとさせてくれます。
土間リビングが寒いときの対策は?
土間リビングが寒いときは、断熱材や床暖房を活用するとよいでしょう。
また、オイルヒーターを使用することもおすすめです。
リビングに広さがある場合は、薪ストーブを取り入れてみましょう。薪ストーブであれば、1台で家全体を暖められます。
土間のある家の間取りは無限大!自分に合った家づくりを
土間のある家のメリットや後悔しないためのポイント、間取り例について解説しました。
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※金利や制度は2022年11月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。