新築のニッチで失敗した事例とは?メリットや後悔しないためのポイントも
おしゃれで華やかな印象のあるニッチは、「家を建てるなら、ぜひ設置してみたい」と思う人は多いと思われます。同時に、なんとなく設置したために失敗してしまった事例や、設置したことを後悔したという人も少なくありません。
そこで本記事では、新築のニッチで失敗した事例やメリット、後悔しないためのポイントを解説します。
【この記事でわかること】
- 新築のニッチで失敗した事例
- 新築のニッチで後悔しないポイント
- 新築におけるニッチの成功例5選
そもそもニッチとは?
ニッチとは、壁の一部をくり抜くようにしてつくったくぼみのことです。奥行きは10cm前後と浅く、ものを収納するというよりは、なにかを飾ることが多いといえるでしょう。
ニッチは、主に以下のようなものを飾るスペースとして利用されます。
- クリスマスやハロウィンなどの季節の飾り
- 家族写真
- 花瓶
- オブジェ
上記などを飾ることで空間が華やかになり、殺風景になりがちな廊下や階段も印象が変わるでしょう。また、リモコンを置いたり照明のスイッチを隠したりするための「スイッチニッチ」として利用されることもあります。
新築のニッチで失敗した事例
新築に設置するニッチでは、以下のような失敗事例があります。
- 多く設置したら費用がかさんだ
- 掃除が面倒だった
- スイッチしか用途がなかった
- そもそも飾る物がなかった
順番に解説します。
多く設置したら費用がかさんだ
建築会社やハウスメーカー、サイズなどにもよりますが、ニッチの費用は1か所につき1万円程度かかることがほとんどです。
家の建築費に対して1万円と聞くとそれほど高くない金額に思えますが、いくつも設置していると、気がついたら高額になるケースもあります。
計画の段階で、本当に必要かどうかや、それほど飾るものがあるかどうかを考え、必要なところにだけ設置しないと後悔する結果になってしまうでしょう。
掃除が面倒だった
「掃除が面倒だった」という声も多く聞きます。
思ったよりも埃が溜まるため、定期的な掃除が必要です。なにかを飾っている場合は、その装飾品をわざわざ動かして、装飾品も含めて掃除しなければなりません。
ニッチが複数あると、掃除だけでもかなりの重労働になってしまいます。
スイッチしか用途がなかった
最終的に、ニッチはスイッチ以外に使い道がなかったという失敗例も少なくありません。
スイッチ以外にも用途を考えておく必要があったケースです。前もって活用方法を考えたほうが失敗を減らせます。
そもそも飾る物がなかった
なにかを飾るつもりでニッチを設置しても、飾るものがなかったという失敗例も多々あります。
おしゃれな印象のニッチですが、それはニッチそのものではなく、おしゃれなものを飾っているからです。したがって、何も飾っていなければただの窪みになってしまうでしょう。
新築のニッチで後悔しないためのポイント
ここでは、新築のニッチで後悔しないためのポイントを紹介します。
- 何を置きたいのかを考える
- 将来的な掃除の手間を考える
- 家事動線や家具の配置を意識する
- 落下対策をしておく
- 家族と話し合いながら検討する
順番に見ていきましょう。
何を置きたいのかを考える
ニッチはそれほど奥行きがなく、置けるものは限られます。
そのため、思いつきで計画すると後悔する可能性があります。目的がないのであれば、ニッチは設置しないほうがよいでしょう。
どうしても設置したいのであれば、「結局置くものがなかった」とならないよう、何を置きたいのかを明確にしておく必要があります。
将来的な掃除の手間を考える
ニッチの将来的な掃除の手間に関しては、計画段階から考えておかなければなりません。
掃除や手入れは、その家に住み続ける場合に切り離せない問題です。それを「面倒だ」と感じてしまう場合や、計画の段階で掃除が行き届かなくなることがわかっている場合は、もう一度考え直す必要があるでしょう。
掃除の手間をできるだけ省くには、以下のような対策法があります。
- 埃の目立ちにくい素材やデザインにする
- 掃除しやすい位置にする
設置する場合は、できるだけ掃除の手間がかからないような計画にすることが大切です。
家事動線や家具の配置を意識する
ニッチを検討する際は、家事動線や家具の位置を意識することも重要です。
インターフォンや照明のスイッチなどを隠しておけるのもニッチの便利なところですが、一か所にまとめてしまうと家事動線が悪くなる可能性があります。
また、ニッチと家具の位置を考慮せずに設置した場合、塞がないとソファが置けないなどの事態にもなりかねません。
したがって、家事動線を意識しながら、配置する家具のサイズや位置をしっかりと定めたうえで検討しましょう。
落下対策をしておく
ニッチは奥行きがなくシンプルな形をしていることが多いため、地震やなんらかの衝撃でものが落下することが考えられます。
割れ物や、極端に重いものを置くのは危険なため避けましょう。ニッチには、落下しても問題がないものや、危険がないものを置くことが大切です。
また、耐震用のジェルパッドを用いて落下対策することもおすすめです。
家族と話し合いながら検討する
家族の中で意見が分かれることはよくありますが、後で揉めないためにも事前に家族間で話し合うのがよいでしょう。
ニッチは一度設置したら動かせないので、設置の有無や場所を事前にすり合わせることは非常に大切です。
新築におけるニッチの成功例5選
新築のニッチで後悔しないためには、成功例を模倣することが重要です。ここでは、主に以下5点を紹介します。
- 書斎の本棚
- トイレ
- スリッパ収納
- キッチンの立ち上がり
- 主寝室のベッドサイド
ただし、上記はあくまで一般的な事例のため参考程度に抑えておきましょう。
書斎の本棚
書斎の本棚としてニッチを活用している成功例があります。
本棚には強度が必要ですが、ニッチであれば壁の強度を利用できます。そのため、強度が確保された本棚が完成します。
また、規模によっては枠を組む必要もありません。
トイレ
トイレにニッチを設けることで成功した事例も多く見かけられます。
予備のトイレットペーパーを並べると、コンパクトにまとまります。さらに、洗剤や芳香剤などを置くのもよいでしょう。
スリッパ収納
意外な使い方ですが、スリッパ収納としてニッチを活用している例もあります。
スリッパ立てを置く必要がなくなり、玄関がすっきりするでしょう。
また、既製品を壁に埋め込んで自分好みのデザインにすることも可能です。
キッチンの立ち上がり
ダイニングテーブルの位置に合わせて、キッチンの立ち上がり部分にニッチを設ける人もいます。
例えば、ティッシュやリモコンを置くスペースとして使用すればテーブルにものを置かなくて済み、テーブルの上が片付きます。また、調味料やカトラリーを置くのもよいでしょう。
主寝室のベッドサイド
ベッドサイドにニッチを設置するのも便利といえます。
あまり大きなものは置けませんが、スマートフォンや時計などのちょっとしたものを置くスペースとして活用できるでしょう。
また、サイドテーブル代わりにもなるため、寝室にはあまり家具を置きたくないという人におすすめの使い方です。
新築でニッチを検討する際は必要かどうかを見極めよう
新築のニッチで失敗した事例やメリット、後悔しないためのポイントを解説しました。おしゃれな家に設置するケースが多いニッチは、本当に必要かどうかを見極めることが大切です。
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※金利や制度は2022年11月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。