家を建てる方角の決め方は?メリット・デメリットを詳しく解説
マイホームを建てる際、家の方角で迷うケースは多いのではないでしょうか。
家を建てる方向の決め方は、単純に日当たりの良さだけではなく、各家庭における生活スタイルを考慮することも大切です。
今回は、家を建てる方向の決め方について、方角ごとのメリット・デメリットを押さえながら、詳しく解説していきます。
家を建てる方角の決め方
家を建てる方角の決め方には、どのような方法があるのでしょうか。
- 日当たりの良さ
- 生活リズム
- プライバシーの保護
上記3つの観点から、方角の決め方を解説していきます。
日当たりの良さ
家の方向を決める際の特に大きな基準となるのが、日当たりの良さです。
日当たりが良い家は、洗濯物が乾きやすいだけでなく、家の中が明るくなることや、冬でも比較的暖かく過ごせるなどのメリットがあります。
生活リズム
生活リズムに合わせて家の方角を決めることもできます。
家の向きによって、日の当たる時間帯が異なるため、生活リズムを考慮して方角を決めるのは良い方法です。
例えば、朝はゆっくり寝て午後活動するような生活リズムの場合は、朝日の当たる東向きより、午後に明るくなる西向きの家が適していると考えられます。
プライバシーの保護
プライバシーの保護を意識して方角を決めることも重要です。
例えば、家を建てる土地が、人通りの多い道路に面している場合は、その方角に向けて家を建てることでプライバシーが守りにくくなる可能性があります。
また、隣の家の向きも考慮し、ベランダ同士が向かい合わないように方角を決めることも重要です。
家を南向きに建てるメリット
家を建てる方角のうち、最も人気が高いのが、南向きです。
- 日中日当たりが良い
- 冬でも日光が入るため暖かい
まずは、最も選ばれることが多い、南向きの家にする2つのメリットから見ていきましょう。
日中日当たりが良い
太陽の光は南側から差し込むため、南向きの家は日中の日当たりが良いという点が最大のメリットです。
日中の日当たりが良いと、家の中が明るくなり、照明をつけなくても快適に過ごせる時間が長くなります。
また、洗濯物が乾きやすく、布団などの天日干しができる点も、南向きの家の魅力です。
冬でも日光が入るため暖かい
家が南向きだと、日光が差し込むことで室内が暖められ、冬でも快適に過ごせます。
寒い冬も暖房器具に頼りすぎることなく過ごせれば、電気代の節約にもなるので嬉しいポイントです。
家を南向きに建てるデメリット
最も人気の高い南向きの家ですが、デメリットがあることも理解しておきましょう。
- 夏は部屋が暑くなる
- 南側が道路の場合プライバシーに配慮する必要がある
ここでは、南向きに家を建てるデメリットを2つ紹介します。
夏は部屋が暑くなる
家の中に強い日差しが入り込むことで、夏は室内が暑くなってしまう点がデメリットとして挙げられます。
特に気温が高い時期は、遮光カーテンなどを利用し、室内の気温が上がりすぎるのを防ぐ対策をとりましょう。
南側が道路の場合プライバシーに配慮する必要がある
家の南側が道路に面している場合は、プライバシーへの配慮が必要です。
家の目の前を多くの人が通ると、家の中で落ち着いて過ごせなくなる可能性があります。
南側に人通りの多い道路がある場合は、プライバシーについても考慮して家の向きを決めましょう。
家を北向きに建てるメリット
家を北向きに建てるのは比較的少ないケースですが、北向きならではのメリットもあります。
- 夏場は涼しく快適に過ごせる
- 建築基準法の高さ制限の影響を受けにくい
意外に知られていない上記2点のメリットを把握しておきましょう。
夏場は涼しく快適に過ごせる
北向きの家は、日光が直接入りにくいため、暑さが厳しい夏場でも涼しく快適に過ごせます。
夏場に家の中に熱気がこもってしまうストレスから開放されるという点は、北向きに家を建てる大きなメリットです。
建築基準法の高さ制限の影響を受けにくい
北向きの家は、建築基準法による高さ制限の影響を受けにくいというメリットがあります。
家を建築する際、建物の高さに関する制限が法律で設けられていますが、北向きの家の場合は比較的制限を受けにくく、建築に関する自由度がほかの方角に比べて高くなります。
家を北向きに建てるデメリット
家を北向きに建てるデメリットは、以下の通りです。
- 日当たりが悪い
- 梅雨の時期にカビの繁殖が起きやすい
上記2点のデメリットをそれぞれ解説していきます。
日当たりが悪い
北向きに建てる家が少ない理由の1つとして、日当たりが悪いというデメリットがあります。
日の当たる方角と反対側を向いているため、日当たりが悪くなり、洗濯物の乾きにくさや室内が暗くなってしまう点には注意が必要です。
梅雨の時期にカビの繁殖が起きやすい
家を北向きに建てることで、梅雨の時期にカビの繁殖が起きやすくなる点もデメリットとして挙げられます。
日が当たりにくいことから、湿気も溜まりやすくなるので、事前にカビ対策を考えておくようにしましょう。
家を東向きに建てるメリット
太陽が昇る東の方角に向けて家を建てる場合には、以下のようなメリットがあります。
- 早朝に陽の光を浴びられる
- 朝早くに洗濯物を干せる
上記2つのメリットを見ていきましょう。
早朝に陽の光を浴びられる
東は朝日が昇る方角なので、早朝に陽の光を浴びられるのが大きなメリットです。
朝起きる時間が早い人や、できるだけ自然の光によって目覚めたい人にはおすすめの方角といえます。
朝早くに洗濯物を干せる
朝早い時間から洗濯物を干せるのも、東向きの家のメリットです。
東向きのベランダは朝日がしっかり当たるため、朝から洗濯物を気持ちよく干せます。
朝型の生活を送る人にとっては嬉しいポイントです。
家を東向きに建てるデメリット
家を東向きに建てるデメリットは、以下の通りです。
- 直射日光が当たらないため夜は寒くなりやすい
- 午後には照明が必要になる可能性がある
東向きに建てる場合は上記2点を対策しておきましょう。
直射日光が当たらないため夜は寒くなりやすい
午後になると直射日光が当たらなくなるため、夜は家の中が寒くなりやすく注意が必要です。
東向きに家を建てる場合は、夜の寒さ対策を考えておきましょう。
午後には照明が必要になる可能性がある
午前中は日当たりが良く室内が明るいのに対し、午後には日が当たらず照明が必要になる可能性が高くなります。
午後の時間帯に家で過ごすことが多い場合は、予め把握しておくようにしましょう。
家を西向きに建てるメリット
太陽が沈む方角である西向きに家を建てる場合は、以下のようなメリットがあります。
- 夕方以降でも部屋が暖かい
- 夕日の景観を楽しめる
上記2点を詳しく解説します。
夕方以降でも部屋が暖かい
西向きの家は、主に午後の日当たりが良くなるため、夕方以降でも日光が差し込み、部屋が暖かくなります。
秋や冬のように夕方になると肌寒くなる季節でも、家の中で快適に過ごせるのは嬉しいポイントです。
夕日の景観を楽しめる
家を西向きに建てると、ベランダから夕日が沈む様子が見られます。
風情ある美しい夕日の景観を楽しめるのは、西向きの家ならではのメリットです。
家を西向きに建てるデメリット
家を西向きに建てるデメリットも、押さえておきましょう。
- 西日で玄関が劣化しやすい
- 夏場は西日を暑く感じることもある
上記2点のデメリットは家のメンテナンスに関わる部分であるため、しっかり対策しておきましょう。
西日で玄関が劣化しやすい
夕方に差し込む西日は日差しが強いため、玄関が劣化しやすいという点には注意が必要です。
西日が玄関に直接当たらないような工夫を検討してみましょう。
夏場は西日を暑く感じることもある
朝日や昼間の日光に比べて、夕方の西日は日差しが強く感じられ、夏場においては暑く感じてしまうことも考えられます。
遮光カーテンを利用するなど、夏の夕方の暑さ対策を考えておきましょう。
家を建てる方向に関するよくある質問
ここでは、家を建てる方向に関するよくある質問を回答と合わせて紹介していきます。
- 日の当たりにくい家の工夫の仕方は?
- 西日の暑さを軽減する方法は?
- 家を建てる方角を意識した土地の選び方とは?
これから家づくりをする人は、上記3点を参考にしてみてください。
日の当たりにくい家の工夫の仕方は?
日の当たりにくい家をできるだけ明るい空間にするためには、いろいろな工夫の仕方があります。
例えば、窓の数を多くしたり、窓のサイズを大きくしたりすることで、室内に取り入れる光の量を増やせます。
ほかにも、1階から2階までを吹き抜けにするなど、家全体を明るくする間取りを検討しましょう。
西日の暑さを軽減する方法は?
西向きの家で、西日の暑さを軽減させたい場合は、遮光カーテンの利用がおすすめです。
西日による強い日差しが入る時間帯になったら遮光カーテンを閉めるようにして、家の中が暑くなりすぎるのを防ぎましょう。
家を建てる方角を意識した土地の選び方とは?
家を建てる方角を意識した土地選びをするなら、土地周辺がどのようになっているかに注目することがポイントです。
例えば、土地が道路に面している部分はどの方角か、隣り合っている家がある場合はどの方角にあるかなどによって、家を建てる方角は大きな影響を受けます。
家の向きを意識した土地選びをするためには、周辺の状況も考慮するようにしましょう。
家を建てる方向は生活リズムに合わせて考えよう
家を建てる方向は、それぞれの方角においてメリットとデメリットの両方があります。
人によって快適に暮らせる家の向きは異なることを理解し、自分の生活リズムに合った方角を選ぶことが重要です。
アイフルホームでは、お客様に寄り添った家づくりの提案を心がけています。
マイホームをご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
※金利や制度は2022年8月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。