住宅ローンはどうやって借りる?借り方・融資までの流れとは?
事前審査(仮審査)とは?
事前審査は仮審査ともよばれるもので、売買契約の前に実施される審査です。事前審査は本審査に比べて簡単な項目ごとに判断していきます。そのため、普通の会社や企業に勤めているサラリーマンであれば、難なく通過可能な審査となります。もちろん、フリーランスなどで働く自営業であっても安定かつ継続して稼げていれば、難なく通過可能です。逆に事情があって無職だったりニートだったりすれば、返済能力がないと判断されてしまうことでしょう。
事前審査(仮審査)の審査期間は?
事前審査には約1週間かかります。事前審査は簡単な審査とはいわれていますが、金融機関も返済能力がある方を通すわけにはいきません。そのため、事前審査であっても約1週間はかかると見ておくことが大切です。
現代はより審査の方法も多様化してきたことで結果も素早く出せる金融機関が増えています。それら金融機関によっては4~5日ほどで結果が出る場合もあるでしょう。もちろん、それでも約1週間と考えておくのが妥当です。
事前審査(仮審査)で見られる内容(基準・審査項目)は?
国土交通省住宅局が行った調査結果報告書によれば、金融機関の多くは以下の内容を重視しているとされています。金融機関ごとに見ている内容は違うのですが、特に、以下のものは上から準備重視される内容なので事前に確認しておきましょう。
- 完済時年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 借入時年齢
- 年収
- 勤続年数
- 連帯保証
- 金融機関の営業エリア
- 返済負担率
事前審査の段階でここまで詳しく内容を確認されることは稀です。むしろ事前審査であれば最低限の内容しか確認しないため、あまりシビアに考える必要はありません。あくまでも住宅ローン契約における足切りだと思ってください。普通に健康で年齢も若く、仕事があるという方なら事前審査は通過可能です。ただ、上記の内容によっては落とされることもあり得なくはないため、準備は入念に済ませておくことが重要です。
事前審査(仮審査)で準備しておく必要書類
事前審査は簡単な審査ということもあり「必要書類もほとんどないでしょ」と考えている方が多いです。
しかし、事前審査であっても必要とされる書類はあるため、以下の表を参考に準備を進めておいてください。
事前審査における必要書類 | |
本人確認書類 | 運転免許証、健康保険証、パスポート |
収入関連書類 | ・給与所得者:源泉徴収票
・自営業者:確定申告書の写し |
物件確認書類 | パンフレット、チラシ、販売図面 |
事前審査であれば上記の書類があれば安心です。逆にこれらの書類が用意できない場合は審査の対象から外されてしまうこともあるため、注意が必要となります。
事前審査(仮審査)で注意するポイント
事前審査は安定かつ継続した収入があれば、多くの場合は通過します。しかし、事前審査であっても返済能力がないと判断された場合は、当然ながら審査も通過しません。たとえば、極端な例でいうと、現在失業中の方などは返済能力がないと判断されてしまいます。また、事前審査では本人の適正なども判断されるため、金融機関が「この人になら融資しても大丈夫」だと思わせる必要があります。
多くの方は事前審査と聞いて「誰でも通るでしょ」と適当に対応してしまいがちです。しかし、世の中の情勢が不安定になってきている昨今、より事前審査から厳しくする金融機関も増えると予測できます。そこは返済計画などを入念に立て、金融機関に信用してもらうことが重要となってくるでしょう。
本審査とは?
本審査は諸々の審査に通過した人のみが受けられるもので、売買契約の後に実施される審査です。本審査は事前審査に比べて厳正な項目ごとに判断されます。そのため、サラリーマンであっても自営業であっても、返済能力が十分でないと判断された場合は審査に落ちてしまう可能性があります。逆に返済能力があると認められれば、難なく住宅ローンを借りられるでしょう。ただし、本審査の場合は本人の返済能力だけではなく、担保評価や瑕疵状態や健康状態も加味されるため、入念な準備が必要です。
本審査の審査期間は?
本審査には約10日間~2週間かかります。本審査はより厳正な審査を行うため、金融機関も返済能力がある方のみを見極めなくてはなりません。そのため、本審査に関しては約10日間~2週間はかかると見ておきましょう。
本審査は事前審査に比べても加味される項目が増えるため、最新鋭の審査を行っている金融機関でもある程度は時間がかかります。それこそ、どんなに早くても約1週間はかかってしまうでしょう。こればかりは金融機関の状況によっても異なるものの、約10日間~2週間ほど必要だと考えておくことが重要です。
本審査で見られる内容(基準・審査項目)は?
国土交通省住宅局の住宅ローンの実態に関する調査結果報告書を見ると、事前審査と同じように以下の内容を重視する金融機関が多いとされます。特に、以下の内容は本審査で必ずと言って良いほど見られるため、事前に確認しておくことが大切です。
- 完済時年齢
- 健康状態
- 担保評価
- 借入時年齢
- 年収
- 勤続年数
- 連帯保証
- 金融機関の営業エリア
- 返済負担率
事前審査に通過しても完済時の年齢があまりにも高齢だった場合や健康状態が悪かった場合などは、本審査で落ちてしまいます。そのほか、本審査では事前審査においてはあまり重視されない担保評価なども見られます。そのため、本人だけではなく物件全体として融資できるかどうかも判断されるということです。ほかにも返済負担率などを参考に返済計画に無理がないかどうかも見られるため、審査に対して入念な対策が必要となるでしょう。
本審査で準備しておく必要書類
本審査では本人が融資に値するのかを判断されるため、より必要書類も多くなります。これらの必要な書類をまとめておかないと、後々、トラブルとなることもあります。事前に用意しておかなくてはならない書類もあるため、余裕を持って取得しておくなど工夫しましょう。
住宅ローンの本審査の必要書類 | |
本人確認書類 | 運転免許証、健康保険証、パスポート、住民票、印鑑証明書など |
収入関連書類 | ・給与所得者:源泉徴収票、住民税決定通知書、課税証明書など
・自営業者:確定申告書の写し、申告所得税納税証明書、事業税納税証明書など ・法人代表者:決算報告書、法人税納税証明書など |
物件確認書類 | パンフレット、チラシ、販売図面、売買契約書、重要事項説明書、工事請負契約書、土地や建物の登記事項証明書など |
本審査は本人確認のための書類はもちろん、住民票や印鑑証明書なども必要です。また、輸入関連の書類においても住民税決定通知書や課税証明書、申告所得税納税証明書、事業税納税証明書、法人税納税証明書なども必要となります。そのほか、物件確認の書類では売買契約書や重要事項説明書のほか、工事請負契約書や登記事項証明書なども必要です。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。