住宅ローンを組む際に連帯保証人は原則不要!必要になるケースも解説

住宅ローンを組む際に連帯保証人は原則不要!必要になるケースも解説

住宅ローンを組む際、連帯保証人を立てるべきか迷う人は少なくありません。

現在の住宅ローンでは、原則として保証人は不要とされています。これは、金融機関が借り手の信用力を重視し、連帯保証人に頼らない形で審査を行っているためです。

ただし、連帯保証人が必要になるケースも存在します。

この記事では、住宅ローンを組む際に連帯保証人が必要になるケースや、立てるリスクについて解説します。本記事を参考にして、自分にとって最善の選択ができるようにしましょう。

【この記事でわかること】

● 住宅ローンを組む際に連帯保証人が必要なケース

● 住宅ローンを組む際に連帯保証人を立てるリスク

● 住宅ローンの連帯保証人に関するよくある質問

住宅ローンを組む際に連帯保証人は原則不要

住宅ローンを組む際に、連帯保証人は原則不要です。以前は必要なケースが多かったものの、近年では原則不要の金融機関が多いといえます。

大きな理由として、契約する金融機関は購入する物件自体に担保を設定するからです。万が一貸し倒れしてしまうリスクがあったとしても、物件を競売にかけて借入金を回収することが可能です。

近年は、保証会社を利用して貸し倒れのリスクを解消しているため、連帯保証人が不要なケースが一般的といえるでしょう。

また、保証人と似た言葉として、連帯債務者という言葉もあります。以下では、連帯債務者と保証人の違いについて解説します。

連帯債務者・保証人との違い

連帯債務者と保証人の違いは、以下の通りです。

区分 概要
連帯債務者 ● 主債務者と連帯して同一の債務を負う

● 主債務者と同等の立場である

● いつでも返済を請求することが可能

保証人 ● 主債務者の返済を保証する

● 主債務者が返済できなくなった場合に代わって返済を求められる

連帯債務者は、主債務者の返済が遅れた場合などでも、代わりに請求されるケースが考えられます。

一方で、保証人はあくまでも主債務者が返済できなくなった場合などに返済を求められます。

住宅ローンを組む際に連帯保証人が必要なケース

住宅ローンを組む際に連帯保証人が必要なケースとして、下記の5点が挙げられます。

  • 住宅ローン審査で必要と判断されたとき
  • 収入合算で借入するとき
  • アローンで借入するとき
  • 建物や土地の名義を共有するとき
  • 自営業であり必要と判断されたとき

上記の5点について詳しく解説します。

住宅ローン審査で必要と判断されたとき

住宅ローン審査の際、物件の担保価値が低い場合や年収や勤務年数に不安がある場合などに、代わりの返済方法を確保することを目的として連帯保証人を求められるケースがあります。

住宅ローンの審査では、物件の担保価値や申込者の収入状況や勤務年数などから総合的に判断されます。

住宅ローンの審査は金融機関によって異なるため、連帯保証人が必要になるかどうかは場合によるといえるでしょう。

収入合算で借入するとき

収入合算で借入する場合は連帯保証人を求められます。

収入合算とは、夫婦の収入を合算して住宅ローンの返済を計画している世帯のことです。収入合算で借入する場合は、1人が債務者、1人が連帯保証人となって住宅ローンを申し込みます。

ペアローンで借入するとき

ペアローンで住宅ローンを申し込む際にも、それぞれの連帯保証人となる必要があります。

ペアローンとは、同一物件に対して夫婦や親子がそれぞれ住宅ローンを契約する方法です。お互いの契約に対し、それぞれ主債務者と連帯保証人が入れ替わります。

建物や土地の名義を共有するとき

建物や土地の名義を共有する際も、連帯保証人が必要になるでしょう。前述した通り、住宅ローンを申し込む際は、物件を担保として抵当権を設定することが前提です。

建物や土地を夫婦の共有名義にする予定の場合、申し込み者の持分だけだと借入希望額に対して十分な担保評価に満たないおそれがあります。

そのときは、共有名義者を連帯保証人にすることで、物件すべての担保評価がとれ、住宅ローンの審査に通りやすくなるでしょう。

自営業であり必要と判断されたとき

自営業である場合は、連帯保証人が必要になることがあります。

自営業者は会社員や公務員と比較すると、住宅ローンの審査が通りにくいといわれます。それは、自営業は収入が安定しておらず、景気次第では廃業などにより貸し倒れてしまうリスクが高いと判断されるからです。

住宅ローンは長期間にわたって返済しなければなりません。自営業だと、景気変動なども想定して、保証会社とは別に連帯保証人を求められることがあります。

住宅ローンを組む際に連帯保証人を立てるリスク

住宅ローンを組む際に連帯保証人を立てるリスクとして以下の3点が挙げられます。

  • 離婚時に連帯保証人を解除できない
  • 主債務者が自己破産した場合に連帯保証人が肩代わりする
  • 連帯保証人が死亡した場合は法定相続人が引き継ぐ

上記の3点についてそれぞれ詳しく解説します。

離婚時に連帯保証人を解除できない

収入合算を使って住宅ローンを利用している場合、夫婦が主債務者と連帯保証人となりますが、離婚が原因では連帯保証人を外れられません。

離婚しても住宅ローンでの関係性が切れないため、返済などが滞った場合、パートナーとトラブルになるおそれがあります。

離婚時の取り決めで主債務者が家を出て行っても、慰謝料代わりに住宅ローンを支払う取り決めをしていると仮定します。その場合、主債務者は住んでいないのに住宅ローンを支払い続けなければなりません。

連帯保証人は、主債務者の支払いが滞ると多額の負債を背負います。双方にとって大きなリスクになるといえるでしょう。

主債務者が自己破産した場合に連帯保証人が肩代わりする

主債務者が自己破産した場合、主債務者の債務は全て免責され、連帯保証人に請求されるのが一般的です。

自己破産した場合、主債務者の住宅ローンや抱えている借金は全て免責されます。しかし、住宅ローン自体の債務まで消えることはなく、一般的には連帯保証人に請求されます。連帯保証人は多額の負債を背負うことになるため、大きなリスクといえるでしょう。

主債務者も、自分の借金のおかげで、ほかの人に多大な迷惑をかけてしまった罪悪感で関係性が断絶されるかもしれません。それぞれにとって大きなリスクです。

連帯保証人が死亡した場合は法定相続人が引き継ぐ

収入合算ローンなどにより、夫が主債務者で妻が連帯保証人だった場合、妻が亡くなると連帯保証人の権利は、法定相続人である夫に引き継がれます。

収入が減るにもかかわらず住宅ローンの返済金額は変わらないため、非常に大きなリスクといえます。

主債務者が亡くなった場合は、団信などにより残債は全て保険金で支払われるため、相続人は、返済がない住まいを相続することが可能です。

しかし連帯保証人は、基本的に団信に加入しません。収入合算の場合、連帯保証人が亡くなっても返済金額が変わらないため、大きなリスクといえるでしょう。

住宅ローンの連帯保証人は外れることができるのか

一度契約してしまうと、住宅ローンが終わるまで連帯保証人から外れられないと考えがちです。

しかし、いくつかのケースにおいては連帯保証人から外れられます。

住宅ローンの連帯保証人から外れるための方法は、以下の3つです。

  • 住宅ローンを借り換える
  • 住宅ローンを一括返済する
  • 住宅を売却する

上記3点について詳しく解説します。

住宅ローンを借り換える

住宅ローンを借り換えることで、連帯保証人から外れられるでしょう。

住宅ローンの借り換えとは、現在契約している金融機関とは別の金融機関と契約し、住宅ローンを組むことです。連帯保証人が立てられている住宅ローンは完済するため、自然に外れます。

新たな借入先での審査次第では、連帯保証人が不要になる可能性もあるでしょう。

住宅ローンを一括返済する

住宅ローンを一括返済することで、連帯保証人から外れられます。

連帯保証人が外せない原因は、住宅ローンの契約が続いている点です。つまり、住宅ローンを一括返済すれば債務が無くなるため、金融機関との金銭消費契約は終了します。

すると、自然と連帯保証人ではなくなります。

住宅を売却する

住宅の売却によって、連帯保証人から外れる可能性があります。

住宅を売却により現金化して残債以上の金額で売却できた場合、住宅ローンを完済できます。ただし、残債に満たない金額での売却は基本的にできない点に注意しましょう。

金融機関は、物件を担保として抵当権を設定しており、住宅ローンを完済できなければ抵当権を抹消しません。そのため、残債に満たない金額では売却できません。

住宅ローンの残債以上の金額で売却して完済すると連帯保証人から外れられるでしょう。

住宅ローンの連帯保証人に関するよくある質問

最後に、住宅ローンの連帯保証人に関するよくある質問を3点紹介します。

  • 住宅ローンの連帯保証人になれない人の特徴は?
  • 住宅ローンの連帯保証人が審査落ちする理由は?
  • 連帯保証人になると住宅ローン審査に通らないって本当?

上記の3点について詳しく解説しましょう。

住宅ローンの連帯保証人になれない人の特徴は?

住宅ローンの連帯保証人になれない人の特徴として、以下の4点が挙げられます。

  • 年金受給者
  • 滞納事故などがある人
  • 無職や勤続年数が少ない
  • 自営業で収入が不安定

上記の4点のうちどれかに当てはまる人は、資産状況か信用力のどちらかに問題があると判断されてしまうおそれがあります。

連帯保証人は、主債務者の返済を保証する役割を担っています。主債務者が住宅ローンを支払えなくなれば、残債を支払わなければなりません。したがって、連帯保証人には、返済できる資金状況や信用力が求められます。

このような人に連帯保証人を依頼しても、実際になることは困難でしょう。

住宅ローンの連帯保証人が審査落ちする理由は?

連帯保証人が審査落ちする理由は、金融機関の審査によって、主債務者の返済を保証できる資金状況や信用が認められなかったからです。

ただし、審査の内容は金融機関によって異なります。別の金融機関での審査だと通る可能性もあるため、別の金融機関で審査することも有効な方法といえるでしょう。

連帯保証人になると住宅ローン審査に通らないって本当?

連帯保証人になると、自分の住宅ローン審査に通らないおそれがあります。

連帯保証人になったことが信用情報に登録されるため、金融機関によっては主債務者と同等の借入をしたと審査される場合もあります。

そのため、自分の住宅ローンを申し込む際、既に負債を持っているとみなされて、審査において不利になる場合もあるでしょう。

住宅ローンを組む際は連帯保証人の負担にも配慮しよう

住宅ローンの申し込みにおいて、近年は保証会社の利用が多いため、連帯保証人を立てるケースは非常に少なくなりました。

しかし、場合によっては連帯保証人を立てることを求められるケースもあります。収入合算やペアローンなどにより住宅ローンを利用する場合は連帯保証人が必要になるため、連帯保証人の負担にも配慮して、住宅ローンの利用を検討しましょう。

将来的に連帯保証人が負債を背負うなどの大きなトラブルが起きないように、十分に検討したうえで住宅ローンを利用することがポイントです。

アイフルホームでは、最適な家づくりのプランを提案いたします。住宅ローンや資金計画などのご相談も承りますので、ぜひ一度アイフルホームへお問い合わせください。

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※金利や制度は2023年5月時点のものです。

コラム監修者情報

木場昌也

二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟

入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。

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