注文住宅の資金計画の進め方は?自己資金や住宅ローンの借入額も解説
注文住宅の購入を検討している人にとって、資金計画に不安を抱くケースは多いのではないでしょうか。
注文住宅は、人生の中でも最も高額な買い物の1つです。
大きな金額が動く分、資金計画をしっかりと立てることはとても重要です。
今回は、注文住宅の資金計画の進め方について、自己資金や住宅ローンの借入額に関するポイントも押さえながら解説していきます。
そもそも注文住宅に必要な資金の種類とは?
そもそも、注文住宅を建てるのに必要な資金には、どのような種類があるのでしょうか。
- 土地の購入費用
- 土地購入の諸費用
- 本体建築費用
- 付帯工事費用
- 住宅ローンの諸費用
- その他の諸費用
上記6つの資金に分類して解説していきます。
土地の購入費用
土地を既に所有している場合を除き、土地の購入費用が必要となります。
家を建てるには、建てる場所となる土地が必要です。
立地によって土地の価格も大きく異なるため、自分に合った土地を選んで購入しましょう。
土地の購入に費用を使いすぎてしまうと、肝心な家の建築費用が足りなくなる恐れもあるので、注意が必要です。
土地購入の諸費用
土地の購入では、土地そのものの価格のほかに、諸費用が必要です。
例えば、土地の売買を仲介してくれた業者へ支払う仲介手数料や、所有権移転登記の際の登録免許税などがあります。
本体建築費用
家そのものを建てるために必要となるのが、本体建築費用です。
注文住宅にかかる費用の大部分を占める重要な費用といえます。
家全体の構造や取り入れる設備などによって、費用が大きく左右されることを把握しておきましょう。
付帯工事費用
家本体の建築費用のほかに、付帯工事費用も必要です。
具体的には、下水道の引き込み工事や、地盤の補強工事などがあります。
付帯工事費用は、建築費全体のおよそ2割程度を占めると捉えておきましょう。
住宅ローンの諸費用
住宅ローンを組む場合は、ローンの諸費用がかかります。
例えば、保証料や団信の保険料、事務手数料などがあり、住宅ローンを組む金融機関によって金額は異なります。
住宅ローンを組むのに必要な費用は、借入額や金利だけではないということを覚えておきましょう。
その他の諸費用
注文住宅に実際に入居する際には、引越し費用や家具・家電の購入費用などが必要となることも忘れてはいけません。
家が完成したあとにも、実際の入居のためにかかる費用があることを頭に入れておきましょう。
注文住宅の資金計画の進め方
注文住宅の資金計画は、具体的にどのような手順で進めれば良いのでしょうか?
- 自己資金をいくら用意するか決める
- 住宅ローンの月々の返済額と総返済額を決める
- 住宅ローンの借入限度額を計算する
- 注文住宅の予算を立てる
上記4つのステップを通して、分かりやすく解説していきます。
自己資金をいくら用意するか決める
まずは、用意する自己資金の額を決めることから始めましょう。
自己資金とは、初めにまとめて支払う頭金や、各種手続きに必要となる諸費用など、住宅購入のために用意するまとまったお金のことです。
自己資金が多いほど、今後の支払いの負担は軽くなりますが、住宅以外にかかる生活費などのための貯金を残しておくことも重要です。
住宅ローンの月々の返済額と総返済額を決める
住宅ローンを組む場合の、月々の返済額と総返済額を考えましょう。
月々の返済額は、現時点での家賃や、毎月の生活にかかるお金がいくらぐらいであるかを把握し、無理なく返済できる金額に設定することが重要です。
また、総返済額についても、無理のない金額設定が非常に重要となります。
住宅ローンのシミュレーションツールなどを活用しながら、自分に合った返済額を決めていきましょう。
住宅ローンの借入限度額を計算する
住宅ローンの借入限度額を計算し、自分が組めるローンの金額を把握しましょう。
借入限度額は、年収や勤続年数などによって大きく異なります。
また、借入先によっても違いがあるので、複数の金融機関においてシミュレーションしてみるのがおすすめです。
注文住宅の予算を立てる
住宅ローンの借入限度額や返済額をある程度把握したら、注文住宅の予算を立てていきましょう。
注文住宅は、プランを決めていく中で、設備や間取りなどの理想が上がっていくケースも少なくありません。
事前に予算の計画をしっかりと立てておき、予算の範囲内でプランを決めていくことを意識しましょう。
注文住宅の自己資金を決めるポイント
注文住宅の自己資金を決める際は、以下の3つのポイントを押さえておきましょう。
- 自己資金は頭金以外にも使用することになる
- 貯金全てを自己資金に充ててはいけない
- 必要に応じて親族の援助を検討する
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
自己資金は頭金以外にも使用することになる
自己資金は、ローンの頭金に使うというイメージが強いかもしれませんが、頭金以外にも使用することを忘れてはいけません。
頭金のほかにも、住宅を購入するとかかる各種税金や、新居での生活のためにも使うことになります。
自己資金=頭金として考えてしまうと、あとになって誤算が生じる恐れがあるので注意しましょう。
貯金全てを自己資金に充ててはいけない
現時点での貯金全てを自己資金に充てるのは避けましょう。
たとえ住宅購入の自己資金を多く用意できたとしても、今後の生活のために必要な貯金が足りなくなっては困ってしまいます。
実際の生活費のことも考慮し、必要な分の貯金は手元に残しておくようにしましょう。
必要に応じて親族の援助を検討する
親族の援助を受けることが可能な場合は、援助を受けることも検討しましょう。
注文住宅の購入は、人生において大きなイベントでもあるので、自己資金の一部を親族に援助してもらうケースは少なくありません。
援助を受けることでよりゆとりある資金計画を立てることに繋がります。
注文住宅の住宅ローンの借入額を決めるポイント
住宅ローンの借入額を決める際には、以下の3つのポイントが重要です。
- 無理なく返済できる金額を設定する
- 借入する金融機関や金利タイプの違いを理解して決める
- 住宅ローンに活用できる税制優遇制度を利用する
それぞれのポイントを押さえて、借入額を決めていきましょう。
無理なく返済できる金額を設定する
住宅ローンの借入額を決める際には、無理なく返済できる金額設定が非常に重要です。
理想の家を実現させたいからといって、自分の収入に対して高すぎる金額を設定すると、将来返済が苦しくなる可能性があります。
自分自身の返済能力をよく考えた上で、無理のない借入額を決めましょう。
借入する金融機関や金利タイプの違いを理解して決める
住宅ローンは、借入先の金融機関や金利タイプによってさまざまな違いがあります。
それぞれの違いを理解した上で借入額を決めることが重要です。
例えば、完済時まで金利が変わらない固定金利タイプや、経済情勢に応じて金利が変わる変動金利タイプなどがあり、選ぶタイプによって返済の進み方も変わってきます。
また、借入先となる金融機関によっても金利の設定や返済方法が異なるため、メリット・デメリットを理解して決めるようにしましょう。
住宅ローンに活用できる税制優遇制度を利用する
住宅ローンに活用できる税制優遇制度を把握し、利用しましょう。
例えば、代表的な制度の1つとして「住宅ローン控除」があります。
住宅を購入してから10年間、所得税や住民税の控除が受けられる制度です。
ほかにも、各種税金に関する優遇制度は複数あるので、事前に調べておくことで、支払う税金を節約できます。
注文住宅の資金計画の注意点
注文住宅の資金計画を立てる際は、以下の3つの注意点を押さえておきましょう。
- 資金計画ではライフスタイルの変化を考慮する
- 頭金は可能な限り準備して資金計画する
- 住宅購入後のメンテナンス費用も考慮する
それぞれ詳しい内容を解説していきます。
資金計画ではライフスタイルの変化を考慮する
注文住宅の資金計画の期間は長くなるため、将来のライフスタイルの変化を考慮することがとても大切です。
例えば、子供の成長にともなう変化や、子供の人数が増えることによる変化、夫婦の働き方の変化など、さまざまなライフスタイルの変化が考えられます。
将来を長い目で見ることで、より現実的な資金計画を立てるようにしましょう。
頭金は可能な限り準備して資金計画する
頭金は可能な限り準備して資金計画を立てたほうが、今後の返済の負担を軽くできます。
もちろん、貯金を手元に残すことも大切ですが、可能な限り頭金を準備して資金計画を立てましょう。
頭金があまり準備できないと、ローン返済額が高くなってしまうので、注意が必要です。
住宅購入後のメンテナンス費用も考慮する
資金計画の際は、住宅購入後のメンテナンス費用についても考慮しましょう。
注文住宅は、購入したら終わりではなく、入居を開始したあとにもメンテナンス費用がかかります。
購入後のメンテナンス費用については、資金計画において見落としやすいポイントなので、注意しましょう。
注文住宅の資金計画に関するよくある質問
ここでは、注文住宅の資金計画に関するよくある質問を紹介していきます。
- 自己資金は一般的にどれくらいの金額を用意している?
- 注文住宅の支払いを行うタイミングは?
- 40歳で貯金がない人でも家を購入することはできる?
それぞれの回答も詳しく見ていきましょう。
自己資金は一般的にどれくらいの金額を用意している?
注文住宅の価格はそれぞれなので、人によって用意する金額にも差がありますが、一般的には全体の購入費用に対して30%程度の自己資金を用意することが推奨されています。
ただし、必ずしも全体の30%の自己資金を用意しなければ購入できないということはないので、1つの目安として捉えておきましょう。
注文住宅の支払いを行うタイミングは?
注文住宅の支払いを行うタイミングは、費用によって異なります。
支払いのタイミングが最も早いのは、契約時に支払う契約金です。
契約締結後は、着工する際に着工金、上棟する際に上棟金を支払うという順序になるのが一般的です。
家の建築が完了し引き渡しを受けるタイミングで、残りの金額を住宅ローンにより支払うという流れになります。
40歳で貯金がない人でも家を購入することはできる?
40歳で貯金がない場合でも、住宅ローンの審査が通れば、家の購入が可能なケースはあります。
ただし、40歳で住宅ローンを組む場合、完済時には既に定年退職している可能性が考えられるため、若い世代に比べると審査が厳しくなる点は理解しておきましょう。
40歳で貯金がなくても、1つの会社での勤続年数が長い場合や、親族から自己資金の援助が見込める場合は、家を購入できる可能性も高まります。
注文住宅の資金計画では生活を圧迫しないことを頭に入れておこう
注文住宅の購入を検討する際は、自分に合った資金計画を立てることがとても重要です。
今回紹介したポイントを参考に、生活を圧迫しない計画を立てるようにしましょう。
アイフルホームでは、無理のない資金計画を共に考えながら、家づくりを提案しております。
注文住宅をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。
※金利や制度は2022年8月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。