平屋と二階建ての違いは?メリット・デメリット・ポイントを解説
戸建て住宅の主流は二階建てですが、近年では平屋住宅の人気が高まっており、家づくりの計画でどちらを選べばよいか迷っている方も多いでしょう。
しかし、平屋住宅の割合はまだまだ少なく、実際に暮らした経験のある方は少ないため、平屋での暮らしはイメージしにくいかもしれません。
そこで今回は、平屋と二階建ての違いについて解説しますので、マイホーム購入を検討中の方は、ぜひとも最後までお付き合い下さい。
平屋と二階建ての違い
平屋と二階建ての違いをまとめていますので、それぞれの特徴を把握して自分たちの暮らしにはどちらが向いているかをイメージしてみましょう。
・平屋の特徴
・二階建ての特徴
順番に解説します。
平屋の特徴
平屋は居住空間がワンフロアに収まる1層の建築物のことであり、コンパクトでありながらも広がりのある空間が特徴です。
上下階の移動のないバリアフリーの住まいは、子育て世帯やシニア世帯にもマッチした住宅といえるでしょう。
二階建ての特徴
二階建ては居住空間を上下階に分けて配置した建築物のことであり、豊富なデザインや間取りのバリエーションが特徴といえます。
必要になる敷地面積の関係もあり、戸建て住宅といえば二階建てをイメージする方が多いでしょう。
平屋のメリット6選
平屋のメリットを以下の通りまとめていますので、自分たちの理想の住まいの実現に繋がるかどうかをそれぞれの項目で判断して下さい。
・耐震性に優れている
・生活導線を短くできる
・階段スペースを活用できる
・家族とのコミュニケーションをとりやすい
・メンテナンス費用が安く抑えられる
・お年寄りでも快適に暮らせる
順番に解説します。
耐震性に優れている
平屋を選ぶ一つ目のメリットは、構造が安定しており耐震性に優れていることです。
二階建て住宅と比較して、建物自体の重量が軽く、建物の重心が低いため地震の揺れによる損傷を受けにくい特徴があります。
生活導線を短くできる
生活動線を短くできる点も、平屋のメリットといえるでしょう。
階段による上下階の移動がないことが理由であり、ワンフロアで完結する動線は、生活のしやすい間取り作りに役立ちます。
階段スペースを活用できる
平屋には階段が不要なので、階段スペースを他の空間に活用できる点も魅力の一つです。
1.5~2畳前後を居住スペースに充てることで、広々としたゆとりのある空間を実現できます。
家族とのコミュニケーションをとりやすい
家族とのコミュニケーションを取りやすいことも、平屋のメリットの一つです。
ワンフロアで完結する間取りは、家族の存在がより身近なものに感じられますので、家族の団欒を大切にしたい方に向いています。
メンテナンス費用が安く抑えられる
メンテナンス費用が安く抑えられる点も忘れてはいけません。
二階建てと比較して、平屋は高所作業が少なく、足場費用なども少なく済む分、大規模な修繕にかかる費用の節約に繋がります。
お年寄りでも快適に暮らせる
平屋はバリアフリー設計との相性が良く、お年寄りでも快適に暮らせることが多くの方に選ばれている理由の一つです。
階段はもともとありませんので、各部屋の段差を解消するなど、自分たちが年齢を重ねた際の使い勝手も想定しておくことをおすすめします。
平屋のデメリット5選
一方で、平屋にはデメリットも存在しますので、自分たちの暮らしにどのような影響があるかを見極めた上で判断することが重要です。
・近隣住宅の影響を受けやすい
・二階建てよりも建築費が高い傾向にある
・風通しや日当たりが悪くなりやすい
・空き巣の被害に遭いやすい
・水害に遭った時に被害を受けやすい
順番に解説します。
近隣住宅の影響を受けやすい
一つ目のデメリットは、近隣住宅の影響を受けやすいことです。
日本の住宅は二階建てが主流であるため、周囲が二階建てに囲まれた状況では、圧迫感を感じる要因になりかねません。
二階建てよりも建築費が高い傾向にある
平屋は二階建てよりも建築費が高い傾向にある点も注意が必要です。
二階建てと比較して、平屋は基礎部分や屋根部分の施工面積が大きいことが割高になる要因に挙げられます。
風通しや日当たりが悪くなりやすい
風通しや日当たりが悪くなりやすいこともデメリットの一つであり、住宅密集地や周辺が高い建物に囲まれている状況では、日当たりや風通しの確保に苦労するケースが想定されます。
空き巣の被害に遭いやすい
空き巣の被害に遭いやすくなる可能性にも注意が必要です。
窓を含めて、出入口が一階部分に集中するため、外部から侵入されやすいので、より防犯に配慮した家づくりが求められます。
水害に遭った時に被害を受けやすい
水害に遭った時に被害を受けやすいことも忘れてはいけないポイントです。
万が一の事態に、平屋では上階への非難ができませんので、ハザードマップで過去の浸水履歴をチェックするなど、可能な限り水害リスクを排除しておきましょう。
二階建てのメリット3選
二階建てのメリットをまとめていますので、自分たちの理想の住まいをイメージしながら、平屋との違いを比べてみましょう。
・土地が狭くても部屋数を確保できる
・平屋よりもコストが安くなる
・プライバシーを確保しやすい
順番に解説します。
土地が狭くても部屋数を確保できる
一つ目のメリットは、土地が狭くても部屋数を確保しやすいことが挙げられます。
平屋と比較して建ぺい率の制限を受けにくく、垂直方向に空間を確保できるため、限られた敷地でも大きな空間を作りやすいことが魅力です。
平屋よりもコストが安くなる
平屋よりも建築コストが安い傾向にある点もメリットといえるでしょう。
二階建ては垂直方向に空間を確保するため、基礎工事と屋根の面積が少なく済む分、建築費用の圧縮に繋がります。
プライバシーを確保しやすい
プライバシーを確保しやすい点も、二階建てを選ぶメリットの一つです。
住宅密集地や目の前に道路があるケースでも、外部の目線より高い位置に居室を設けられることが理由に挙げられます。
二階建てのデメリット3選
二階建てのデメリットをまとめていますので、良い面だけでなく悪い面も踏まえて、自分たちの暮らしにどのような影響があるかをイメージしてみましょう。
・高齢者にとっては暮らしにくい可能性がある
・生活導線が長くなる
・家族とのコミュニケーションが少なくなる恐れがある
順番に解説します。
高齢者にとっては暮らしにくい可能性がある
一つ目のデメリットは、高齢者にとっては暮らしにくい可能性がある点が挙げられます。
若い内は問題がなくとも、年齢を重ねて足腰が弱くなると、階段での上り下りが生活の妨げとなる可能性が想定されるため注意が必要です。
生活導線が長くなる
平屋に比べて、生活動線が長くなる点もデメリットといえるでしょう。
部屋の移動に階段の上り下りが必要となることが理由であり、動く距離が長くなる分、家事の負担を感じやすくなります。
家族とのコミュニケーションが少なくなる恐れがある
家族とのコミュニケーションの機会が少なくなる恐れがあることも注意すべきポイントです。
居住空間が上下階で分かれることが理由であり、間取りによっては家族の気配が伝わりにくくなるでしょう。
平屋と二階建てのどちらにするか決めるポイント
平屋と二階建てを選ぶ上でのポイントを以下の項目ごとにまとめていますので、自分たちの家づくりのイメージしながら見ていきましょう。
・予算
・土地の広さ
・家族構成
順番に解説します。
予算
予算の面から考えると、二階建てに軍配が上がります。
土地取得費用や建築費用が平屋に比べて割安に済むことが理由に挙げられますが、お住まいの地域や建築プランによってはこの限りではありません。
土地の広さ
十分な広さの敷地を用意できるケースでは、どちらを選んでも問題ありません。
しかし、狭小地などでは、二階建てでなければ十分な居住スペースを確保できない可能性が高いでしょう。
家族構成
住まいへの考え方は人それぞれですが、子供やお年寄りがいる家庭では平屋が望ましく、家族が多いケースや二世帯同居では二階建てが望ましいといえるでしょう。
平屋と二階建てに関するよくある質問
平屋と二階建てに関するよくある質問をまとめていますので、他の方の疑問点を自分立ちの家づくりに置き換えて考えてみましょう。
・税金は平屋と二階建てでどちらの方が高くなる?
・二世帯住宅は平屋と二階建てどちらが向いている?
・維持費は平屋と二階建てでどちらの方が高くなる?
税金は平屋と二階建てでどちらの方が高くなる?
一概にはいえませんが、同程度の大きさの住宅を比べると、平屋の方が高くなる傾向にあります。固定資産税の算出に敷地の広さと建築費用が関わってくることが理由です。
二世帯住宅は平屋と二階建てどちらが向いている?
二階建ては上下階で住み分けられますし、平屋では中庭を設けて居住スペースを区切ることもできますので、二世帯住宅にどちらが適しているかは、人それぞれといえるでしょう。
維持費は平屋と二階建てでどちらの方が高くなる?
一概にはいえませんが、二階建ての方が維持費は高くなる傾向があり、屋根の張替えや外壁の塗り替えなどに伴う足場費用が主な要因として挙げられます。
まとめ:平屋と二階建ての違いを理解して自分にあった家を建てよう
平屋と二階建てはそれぞれ一長一短があり、優劣をつけられるものではありません。
重要なポイントは、それぞれの特徴を把握した上で、自分たちのライフスタイルに合った建て方を選ぶことです。
もちろん、家づくりには予算がありますので、限られた範囲の中で自分たちの家づくりの優先順位を考えてみましょう。
アイフルホームでは、お客様に合わせた最適な住まいのプランを提案していますので、家づくりにお悩みの方は、お気軽に個別相談会へ足をお運び下さい。
※金利や制度は2022年7月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。