近年人気の平屋のメリット・デメリットは?間取り実例も紹介
ここでは、近年人気の平屋のメリット・デメリットについて解説していきます。
近年、平屋の家が注目されており人気が上昇しています。平屋が人気になっている理由は、設計の自由度が高いことや、バリアフリーな住宅にしやすいことなど、さまざまです。
この記事では、平屋とはどのような家を指すのか、平屋のメリットやデメリットについて詳しく解説します。デメリットを解消する間取り図の例まで解説するので、平屋の購入を検討している人はぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
● 平屋とはなにか?
● 平屋のメリット・デメリット
● 平屋のデメリットを解消する間取り実例
そもそも平屋とは?
平屋とは、階層が一階だけの住居用建物を指します。昔ながらの家は平屋が多く、伝統的な日本家屋も多くは平屋です。
平屋は二階建て以上の建物とは異なり、階段などの昇降設備が不要であるため間取りを計画しやすい特徴があります。
平屋が人気な理由
平屋の人気の理由は多岐にわたります。主な理由は以下の通りです。
- 設計の自由度が高い
- スタイリッシュでおしゃれなデザインの住宅が増えている
- 構造が安定している
- バリアフリーにしやすい
- 生活動線が効率的で整えやすい
まず、平屋は階層が一階層しかないため、その構造から間取りの柔軟性が高くなります。中庭やロフトなどさまざまなスタイルが実現可能です。
また、平屋は二階がないので構造が単純化され、耐震性にも優れています。バリアフリーの観点からも身体的な負担が少なく、幅広い年齢のご家族が安心して住める環境になるでしょう。
平屋は若い世代や家族世帯から支持され、一生住みたい家として注目を集めています。
平屋のメリット5選
平屋のメリットとして、以下5つを挙げました。
- メンテナンス費用を抑えやすい
- 効率的な生活動線を実現できる
- 家族とのコミュニケーションが取りやすい
- 構造が安定している
- バリアフリーを取り入れやすい
順番に解説します。
メンテナンス費用を抑えやすい
平屋のメリットの1つは、メンテナンスコストが抑えられる点です。
平屋は構造がシンプルであるため、メンテナンスの項目が少なくなります。そのため、二階建て住宅と比較してコストを抑えられます。
例えば、屋根や外壁の塗装時には高い足場を組む必要がないため、足場代を節約できるでしょう。塗装する面積も少なくなりやすいため、コストが抑えられます。
長期間にわたって住み続けるためには定期的なメンテナンスが必要ですが、その費用を少しでも抑えられる点は大きなメリットです。
効率的な生活動線を実現できる
平屋のメリットは、効率的な生活動線を実現できる点も挙げられます。
平屋は一階と二階を行き来する必要がなく、家事負担の軽減につながります。洗濯機から洗濯物を持ってベランダに行く動作や、掃除後の収納作業など、全ての作業が同じ階で行えるため、移動の手間が省けます。
フラットな空間で生活動線が完結するため、日常生活をより快適に過ごすことが可能です。
家族とのコミュニケーションが取りやすい
家族とのコミュニケーションが取りやすい点もメリットとして挙げられます。平屋は二階がなく床面積を効率的に使う必要があるため、余計な廊下などが少ない間取りが一般的です。
リビングを中心に家族が顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションが取りやすくなります。
特に、子供が自分の部屋にこもってしまうケースや、二階に上がってしまうことで帰ってきたのかわからないケースなどが減り、家族全体が一緒に過ごす時間が増えるでしょう。
平屋は、家族との仲を深める場としても適しています。
構造が安定している
平屋の家は、構造が安定している点も大きなメリットです。二階建てや3階建ての建物と比較して、平屋は構造がシンプルで上階に建物がない分、耐震性が高まります。
屋根の負担が少なく、地震などの自然災害にも強い点も平屋の特徴の1つです。建物全体の重量が分散され、地盤への負荷が少なくなるでしょう。
地震や風などの外部からの力に対してもより安定した構造を持っているため、平屋は安全性が高く、長期間安心して住める家といえます。
バリアフリーを取り入れやすい
バリアフリーを取り入れやすい点も、平屋の大きなメリットといえます。ワンフロアの構造であるため、室内をフラットに設計しやすく段差をなくしやすいといえます。
高齢の両親と共に生活する場合や将来的に自宅をバリアフリーにしたい場合に、理想的な選択肢です。
二階建ての場合は階段があるため全ての室内をバリアフリー化するのは困難ですが、平屋はフロア全体をバリアフリーにすることが容易です。
平屋であれば、快適で安心な生活環境を実現できるでしょう。
平屋のデメリット4選
平屋には、メリットばかりではなく以下のようなデメリットもあります。
- 建築コストが高くなりがちである
- 広めの敷地が必要になる
- 防犯面・プライバシー面に不安が残る
- 日当たりや風通しが悪くなるおそれがある
上記4点を順番に解説していきます。
建築コストが高くなりがちである
平屋のデメリットの1つは、建築コストが高くなりやすい点です。
同じ延床面積の二階建てに比べて、平屋の基礎部分の面積が大きくなります。そのため、基礎工事にかかるコストが増えることが主な理由です。
平屋は二階建ての倍近くの基礎と屋根が必要となるため、建築費用も高くなります。
ただし、基礎部分の多さは建物の構造の安定性や耐震性に欠かせません。平屋ではコの字型やロの字型など自由度の高い間取りが実現しやすく、理想の住宅を実現することも可能です。
広めの敷地が必要になる
平屋を建てる際には、広めの敷地が必要になります。
例えば、延床面積80坪の家を建てる場合、80坪の土地では足りません。平屋は一階しかないため、建物の広さに比例して土地も広くなければなりません。
二階建てだと同じ延床面積でも、二階分を縦に積み重ねるために土地の面積を節約できます。
さらに広い土地は、固定資産税が高くなる傾向があります。平屋を建てる場合は土地代や固定資産税の負担も考慮する必要があるでしょう。
防犯面・プライバシー面に不安が残る
平屋のデメリットとして、防犯面やプライバシー面に不安が残る点が挙げられます。
平屋は全ての部屋が一階に位置するため、外部からの侵入リスクが高まります。特に、窓を開けて寝る際などは注意が必要です。
また、庭が外に面している場合、洗濯物を干す際にプライバシーを確保することも難しくなるでしょう。平屋を建てる際には、防犯やプライバシーを考慮した設計が必要です。
日当たりや風通しが悪くなるおそれがある
平屋のデメリットとして、周囲の建物が高い場合、日当たりや風通しが悪くなることも挙げられます。
周りが二階建てばかりだと、平屋は影響を受けやすくなります。周辺に階層が高い建物が多いエリアに建築する場合、中庭を設けるなどの対策が必要です。中庭を設けることで自然光を取り込み、部屋を明るくしたり風通しを良くしたりできます。
また平屋は屋根の面積が広いため、太陽光パネルを搭載する家庭も少なくありませんが、適切な設置場所や角度を考慮しないと日照不足になるおそれがあります。
パネルの反射で近隣トラブルが起きる可能性もあるため、注意する必要があるでしょう。
平屋のデメリットを解消できる間取り実例(施工事例)
平屋には、いくつかのデメリットがある点を解説しました。
ここからは、アイフルホームにおける実際の施工事例を参考に、デメリットが解消できる住まいの実例を解説します。
- アウトドアも存分に楽しめる住まい
- 夫婦二人にちょうどいい、おしゃれな平屋
順番に見ていきましょう。
アウトドアも存分に楽しめる住まい
延床面積 | 135.15㎡(40.8坪) |
敷地面積 | 498.00㎡(150.6坪) |
工法 | 木造軸組 |
アウトドアも存分に楽しめる住まいは、平屋のデメリットを解消しつつ、使いやすさと快適さを両立させた家です。
広々としたリビング・ダイニングを中心に配置し、吹き抜けや大きな窓を取り入れることで開放感を演出します。子供部屋や書斎などの個室はリビングから直接アクセスできるように配置し、動線がスムーズになっています。
また、収納はロールスクリーンを使用しており、風通しが良く湿気対策もできています。
さらに、24時間換気システムを導入し、室内の空気を常に清潔に保つことが可能です。平屋の利便性と快適性を最大限に引き出した理想的な住宅空間が実現できます。
夫婦二人にちょうどいい、おしゃれな平屋
延床面積 | 86.00㎡(26.0坪) |
敷地面積 | 253.78㎡(76.7坪) |
工法 | 木造軸組 |
夫婦二人にちょうどいい、おしゃれな平屋は、平屋のデメリットを解消し、コンパクトなため敷地を取らない間取りです。
屋根の勾配をきつめに設計することで外観を大きく見せ、将来のリフォームにも違和感なく対応できるよう配慮されています。外壁には塗り壁を使用し、室内はリフォームしやすい天然木の無垢材を多用している点も特徴の1つです。
無垢材は経年変化する色や味わいが楽しめ、長く快適な生活を支えます。また、24時間換気システムが採用されているため、清潔な室内環境で快適な生活が送れるでしょう。
平屋に関するよくある質問
平屋に関するよくある質問として3点を挙げました。
- 平屋と二階建てはどっちがいい?
- 平屋はうるさいって本当?
- 平屋や二階建てにかかる税金は?
順番に回答していきます。
平屋と二階建てはどっちがいい?
平屋と二階建ての戸建て、どちらが良いかは個々のニーズや好みによります。いくつかの点を比較して表にまとめました。
平屋 | 二階建て | |
価格面 | 土地が広い分価格が高くなりやすい | 土地が狭くても階層が多い分利用するスペースは多くなる |
家族構成 | 高齢者がいる場合は、バリアフリーにしやすい | 高齢者がいる場合は階段の段差に注意が必要 |
部屋数 | 部屋数が限られる | 部屋数が増やせる |
生活スタイル | コミュニケーションが取りやすい | プライバシーが確保しやすい |
平屋はバリアフリーで動線が短いため、高齢者や身体に不自由な人に向いています。
一方、二階建ては土地の有効活用ができ、プライベート空間を上下に分けられます。家族構成や将来のライフスタイルを考慮して選ぶと良いでしょう。
費用面で悩んでいる場合は、規格住宅やローコスト住宅まで選択肢を広げると良いでしょう。自分や家族の暮らしに合った住まいを選ぶことが重要です。
平屋はうるさいって本当?
一概に平屋が「うるさい」とは言い切れませんが、考えられる理由は以下の通りです。
- 居室とリビングが近いから
- 屋根からの音が直接居室に響くから
- 道路に近いから
- 住宅設備の音が響くから
まず、平屋は居室とリビングが近いため、生活音が気になりやすくプライバシーが確保しにくい点が挙げられます。
また、屋根からの音が直接居室に響くこともあります。平屋は道路に近いことが多く、外部からの騒音や振動が室内に伝わりやすい点もうるさいといわれる理由の1つです。
さらに、住宅設備の音も気になります。エアコンや給湯器の作動音が就寝時に響くこともあるでしょう。適切な間取りや設備の配置、遮音材の利用などが必要です。
平屋や二階建てにかかる税金は?
平屋と二階建ての住宅では、固定資産税が異なる場合があります。
一般的に、平屋のほうが屋根や壁などにより多くの資材を使用するため、資産価値が高くなり、税額も上昇する傾向にあります。
また同じ面積の住宅でも、平屋のほうが広い土地を必要とするため、土地の価値も税金に大きく影響します。
固定資産税を抑えるためには木造住宅を選択し、シンプルな構造にすることが有効です。また、土地価格の低い場所で住宅を建設することも検討するとよいでしょう。
土地価格は市町村が決定するため、立地条件と土地価格のバランスを考慮することが重要です。
平屋のメリット・デメリットを比較して後悔しない家づくりをしよう
近年人気となっている平屋住宅ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。
平屋のメリット・デメリットが、自分のライフスタイルに対して、どのような影響を受けるか、しっかりと検討することをおすすめします
また、平屋を建てる際のハウスメーカーや商品の選択も重要なポイントです。アイフルホームの”for HIRAYA PLAN”は、デザイン性も高く平屋のメリットを十分生かした間取りや仕様で人気です。平屋に興味がある方はぜひ一度チェックしてみてください。
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※金利や制度は2024年3月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。