注文住宅を建てる際に現金はいくら必要?諸費用一覧や支払いタイミングも

注文住宅を建てる際に現金はいくら必要?諸費用一覧や支払いタイミングも

この記事では、注文住宅を建てる際に現金はいくら必要かについて解説していきます。

注文住宅は人生の中で最も大きな金額が必要になるイベントの1つです。注文住宅を建てるためには、現金をどのくらい用意しておくべきかを把握する必要があります。

この記事では、注文住宅を建てる際の諸費用の内訳や支払いのタイミングについて解説します。

資金計画でお悩みの人や注文住宅を建てることを検討している人は、ぜひこの記事を最後までお読みください。

【この記事でわかること】

● 注文住宅を建てる際に必要な現金の金額

● 現金が必要となる諸費用の一覧

● 現金が必要となるタイミング

注文住宅を建てる際の現金はいくら必要?

注文住宅を建てる際に用意すべき現金は、主に諸費用の支払いに充てられることが多く、おおまかな項目と目安は次のようになります。

諸費用項目 目安
手付金 50〜100万円

物件によっては物件価格の10%

頭金 1,000〜1,500万円
調査費用 5万円前後
仲介手数料 200万円以下:売買代金×5%+消費税
200万円を超え400万円以下:売買代金×4%+2万円+消費税
400万円を超える:売買代金×3%+6万円+消費税
印紙代 売買代金によって異なる
火災保険料 初回支払額は約10〜30万円
登記費用 約20〜40万円

エリアと物件によって異なる

固定資産税・都市計画税 約10〜20万円

エリアと物件によって異なる

地鎮祭・ 上棟式に関連する費用 約5〜10万円

※参考1:令和3年度住宅市場動向調査報告書|国土交通省住宅局

※参考2:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額|国土交通省

※参考3:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

エリアや物件、売買代金によって異なる項目もあるので、詳細は以下で確認しましょう。

注文住宅を建てる際に現金が必要となる諸費用一覧

ここでは、前述した諸費用の内容について解説します。

  • 手付金
  • 頭金
  • 調査費用
  • 仲介手数料
  • 印紙代
  • 火災保険料
  • 登記費用
  • 固定資産税・都市計画税
  • 地鎮祭・ 上棟式に関連する費用
  • その他の費用

各項目の支払いタイミングについても解説していきます。

手付金

手付金は、不動産売買契約時に支払います。

費用は50〜100万円となることが一般的ですが、エリアや売主によっては売買金額の10%程度になることもあります。

手付金は手付解除に使用するために用意する費用です。契約締結後に契約を解除したい場合は、手付金を放棄することで解除できます。

つまり、手付金の額が少ないと簡単に解除できることから、金額次第では売主から契約を断られることもあります。

頭金

土地と建物に対して、頭金が必要となります。

頭金とは、現金で用意する自己資金のことを総称した用語です。令和3年度住宅市場動向調査報告書によると、1,000〜1,500万円を頭金として用意するケースが一般的です。

注文住宅を建てる際に用意する自己資金の目安にしてください。

調査費用

調査費用は、地盤調査や敷地調査など、建築予定の土地を調査するために必要です。調査費用は住宅ローンに組み込めるため、現金で支払わずに済むケースもあります。

また、調査費用は建物の代金を精算する際に支払うのが一般的です。

仲介手数料

仲介手数料が必要となるのは土地の決済時で、不動産会社へ支払います。計算方法は、売買代金によって以下のように異なります。

  • 200万円以下:売買代金×5%+消費税
  • 200万円を超え400万円以下:売買代金×4%+2万円+消費税
  • 400万円を超える:売買代金×3%+6万円+消費税

なお、仲介手数料も住宅ローンに組み込めるため、高額になる場合は現金ではなく融資で対応する方法がおすすめです。

※参考:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額|国土交通省

印紙代

印紙代が必要となるのは、土地・建物・住宅ローンを契約するタイミングです。

不動産の売買契約や建物の請負契約、銀行との契約時には契約金額によって印紙税を支払います。納税は、印紙を契約書に貼付し消印することで行えます。

印紙代は印紙を購入する際の費用となり、契約時に支払うのが一般的です。なお、印紙代は契約金額によって以下のように異なります。

売買価格 印紙代
10万円を超え50万円以下 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 10,000円
5,000万円を超え1億円以下 30,000円
1億円を超え5億円以下 60,000円
5億円を超え10億円以下 160,000円
10億円を超え50億円以下 320,000円
50億円を超える 480,000円

※参考:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

売買価格によって金額が異なるため、事前に売買金額を確認しましょう。

火災保険料

建物を購入して火災保険を契約したタイミングで、火災保険料が必要となります。

火災保険料は1年もしくは5年ごとに支払う必要があり、1回目の支払いは建物を取得した翌月になることが一般的です。

また、初回に支払う保険料は約10〜30万円が一般的であり、防火仕様の建物であれば保険料を抑えられます。

登記費用

登記費用は、土地や建物の登記の際にかかる費用のことです。土地や建物の所有権を取得するためには登記をする必要があり、司法書士に依頼することが一般的です。

そして、司法書士に支払う費用は報酬に加えて登録免許税があり、評価額の0.4%が税額となります。約20〜40万円であることが一般的ですが、エリアによって異なるため事前に見積を取得しておくことをおすすめします。

なお、支払いのタイミングは不動産の決済時に現金で支払うのが一般的です。ただし、住宅ローンの融資から支払うことも可能です。

固定資産税・都市計画税

固定資産税は評価額の1.4%、都市計画税は0.3%で計算でき、毎年5月ごろに納税通知書と納付書が送られてきます。

毎年支払うための現金を用意しておく必要があり、さらに3年に1度固定資産税と都市計画税は見直しされます。滞納することなく現金を用意しておくことが重要です。

地鎮祭・上棟式に関連する費用

地鎮祭・ 上棟式に関連する費用は、建物の建築で地鎮祭や上棟式といった儀式を行う際に必要になります。約5〜10万円が相場です。

儀式終了後に現金で直接支払うケースもあることから、予め準備しておく必要があります。

その他の費用

家電購入費用や引っ越し費用、隣人への手土産などのその他費用は、住宅ローンに組み込めず現金で支払う必要があります。

特に引っ越し費用はシーズンによって料金が大きく変動するため、注意が必要です。

注文住宅を建てる際に現金が必要となるタイミング

注文住宅を建てる際に現金が必要になるタイミングをまとめると、以下の通りです。

諸費用項目 タイミング
手付金 不動産売買契約時
頭金 諸費用の支払いが必要となる都度のタイミング
調査費用 建物費用の精算時
仲介手数料 不動産決済時
印紙代 各契約時

(不動産売買契約、請負契約、銀行との契約)

火災保険料 建物を取得した翌月
登記費用 不動産決済時
固定資産税・都市計画税 毎年5月頃
地鎮祭・上棟式に関連する費用 建物費用の精算時

(ただし、儀式終了後即支払いのケースもある)

その他費用 即時支払い

項目によって支払うタイミングは異なります。事前に準備できるように支払いタイミングを把握しておきましょう。

注文住宅を建てる際に支払う現金を抑えるコツ

注文住宅を建てる際には多くの現金が必要となりますが、金額を抑えるコツがあります。

  • 諸費用を住宅ローンに組み込む
  • 登記の手続きを自分で実施する
  • 上棟式を割愛する

順番に解説していきます。

諸費用を住宅ローンに組み込む

諸費用は全て現金支払いが必須というわけではありません。調査費用や仲介手数料、火災保険料、登記費用などは住宅ローンに組み込むことが可能です。

そのため、返済計画が成立するのであれば住宅ローンで費用を用意することもおすすめです。

登記の手続きを自分で実施する

登記は司法書士に依頼せずとも、所有者となる本人が実施することも可能です。これにより登記費用を安く抑えられます。

しかし、登録免許税は必ずかかる上に複雑な手続きを自分で行うことになります。工数がかかることを前提に検討しましょう。

上棟式を割愛する

上棟式や地鎮祭を実施せずに割愛するという選択肢もあります。

上棟式は必須の項目ではないので、家づくりの総額を抑えたい場合にはハウスメーカーに儀式の割愛を相談してもよいでしょう。

注文住宅に必要な現金に関するよくある質問

ここでは、注文住宅に必要な現金に関するよくある質問に回答します。

  • 注文住宅に関する支払いスケジュールをまとめるとどうなる?
  • 注文住宅の諸費用が払えないとどうなる?
  • 土地1,500万・注文住宅2,0000万円の場合に必要な現金はいくら?

順番に解説していきます。

注文住宅に関する支払いスケジュールをまとめるとどうなる?

注文住宅において現金が必要になる流れをまとめると、主に以下の通りです。

流れ 支払う項目
不動産売買契約 印紙代、手付金
建物の請負契約 印紙代
銀行との契約 印紙代
不動産決済 登記費用、火災保険料、仲介手数料
着工後 地鎮祭、上棟式の費用
建物費用精算時 調査費用
建物取得時 登記費用
入居後 その他費用、固定資産税・都市計画税

この表を参考に、支払いスケジュールを管理しましょう。

注文住宅の諸費用が払えないとどうなる?

諸費用はゼロにはできない費用であるため、支払えない場合は計画が滞ってしまいます。

ハウスメーカーによっては請負契約時に前金を支払ってもらい、諸費用を前金の中から支払い対応するケースもあります。

土地1,500万・注文住宅2,000万円の場合に必要な現金はいくら?

土地1,500万・注文住宅2,000万円の場合に必要な現金は、350万円が目安といえます。

一般的に、住宅購入にかかる諸費用は、費用全体の10%程度です。土地1,500万・注文住宅2,000万円の場合、総額は3,500万円となるので、諸費用で350万円を目安として現金を用意しましょう。

注文住宅で必要な現金を把握し資金計画を立てよう

注文住宅を建てる際には必ず現金で支払いが必要となる諸費用があります。想定外の出費で生活が苦しくならないように、諸費用を考慮して資金計画を立てましょう。

アイフルホームは宮城県を中心に、子供から高齢者まで家族全員のための家づくりを行ってきました。

アイフルホームの店舗や展示場、Webミーティングでは、家づくりや資金計画に関するお客様の不安を解消できる相談を承っています。用意する現金に不安を感じる方や家づくりで悩んでいることがある方は、アイフルホームへお問い合わせください。

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※金利や制度は2023年12月時点のものです。

コラム監修者情報

木場昌也

二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟

入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。

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