中庭のある家のメリット・デメリットは?間取り例や後悔しないポイントも

中庭のある家のメリット・デメリットは?間取り例や後悔しないポイントも

この記事では、中庭の種類や中庭を設けるメリット・デメリット、実際の事例や後悔しないポイントを解説します。

中庭のある家は、外部の目が気にならないような配置にでき、太陽光が部屋中に降り注ぐ開放的な住まいになることが期待できます。一方で、中庭を設けるデメリットも存在します。

中庭のある家を検討している人は、この記事を参考にしながら自分に必要かどうかを判断してください。

【この記事でわかること】

● 中庭のある家のメリットやデメリット

● 中庭のある家の間取り例

● 中庭のある家で後悔しないためのポイント

中庭のある家は大きく3種類

中庭の種類は大きく3つに分類されます。

  • ロの字型
  • コの字型
  • L字型

それぞれの特徴を詳しく解説します。

ロの字型

家を上から見た時に”ロ”の形をした中庭です。完全に外からは見えない庭で、プライベートが守られます。また、家の中はすべて中庭の自然光が入る点も特徴です。

建物で庭を囲む造りになるため、広い敷地が必要です。

コの字型

家をコの字型に設計し、真ん中に庭スペースを配置します。庭が三方に囲まれていて、プライベートの空間を確保しつつ外部ともつながっている庭です。

風通りや日当たりも優れていますが、家をコの字型にできる敷地が必要な点や、完全なプライベート空間ではない点がデメリットとして挙げられます。

L字型

住まいが”L”の形になっており、2面だけが外部に接している庭を指します。外部と接する部分が多いため、開放感がある庭になるでしょう。

ただし、外部からの目線が多くなってしまうので、プライベートを重視した中庭には向かないデメリットがあります。

中庭のある家のメリット

中庭のある家のメリットを、下記の4点から解説します。

  • 自然光によって家が明るくなる
  • 防犯面を気にする必要がなくなる
  • プライベート空間の庭を確保できる
  • 子供を遊ばせる場所になる

それぞれ詳しく説明します。

自然光によって家が明るくなる

中庭の周りの部屋に自然光が入りやすいので、より明るく感じられます。

日中は、自然光に包まれた生活ができるため、自然光を取り入れたい人には、中庭の設置がおすすめといえるでしょう。

防犯面を気にする必要がなくなる

一般的な外庭と比較すると、中庭は防犯面に優れています。

特にロの字型タイプは、建物で完全に囲まれているので、外部からの侵入を防ぎやすくなります。窓を開ける場合も防犯面で不安を感じることなく、自由に開けられる点がメリットです。

ただし、敷地や家が外部と接しているので、最低限の防犯は必要な点に注意しましょう。

プライベート空間の庭を確保できる

中庭は建物で囲まれているので、プライベート空間の庭が確保しやすい点が特徴です。

外部の目を気にせず自由に過ごせる点が、中庭のメリットといえます。

子供を遊ばせる場所になる

中庭は外部に接している面が少ないので、子供を遊ばせやすい空間です。

完全に囲まれたロの字型の中庭なら、子供が道路へ飛び出す心配もありません。目を離した隙に子供が外に出るなどのリスクが回避できる点も、中庭の大きなメリットです。

中庭のある家のデメリット

中庭のある家のデメリットを下記の4点から紹介します。

  • 建築費用が高くなりやすい
  • 居住スペースが狭くなる
  • 生活動線が長くなる
  • 熱・湿気・雨水がたまりやすい

それぞれ詳しく解説します。

建築費用が高くなりやすい

中庭を設置すると、外壁部分が増え部屋の角が多くなってしまいます。外壁部分と角が増えてしまうと、建築費用が高くなりやすい傾向があります。

壁材が増え角を処理する手間などがかかるため、中庭がない住まいと比較すると、建築費用が高くなりやすい点がデメリットといえるでしょう。

居住スペースが狭くなる

建物の中に庭を配置するため、居住スペースに中庭の広さが影響してしまう点が、デメリットとして挙げられます。

狭い敷地で無理に中庭を配置してしまうと、部屋数も居住スペースも少ない住まいとなってしまうでしょう。

生活動線が長くなる

中庭があることによって居住スペースが複数方向にある分、生活動線が長くなってしまいます。

一般的な四角型の住まいより複数方向に部屋があるので、動く場所が複数になってしまい、効率的ではないケースがあります。

熱・湿気・雨水がたまりやすい

外部に接していない中庭では、熱や湿気が外部に排出されにくいといえます。

特に、エアコンの室外機などが中庭にある場合、熱気がたまり雨水がしっかり排水されないと、虫やコケが発生しやすくなるでしょう。

熱や湿気、雨水のたまりにくい中庭にする工夫が必要です。

【実例】中庭のある家の間取り例

工事面積 117.10㎡(35.42坪)
延床面積 105.00㎡(1階55.00㎡・2階50.00㎡)

中庭のある家の間取り例として、アイフルホームの”for COURT PLAN”を紹介します。

静かに佇む中庭でいつでも心やすらぐ暮らしができる、コの字型の中庭を配置した住まいになっています。

キッチンからダイニングや中庭、リビングを見渡せ、子供の動向に目が届く設計です。2階の寝室からも中庭が見え、シンボルツリーがオシャレにライトアップされた幻想的な空間が楽しめるでしょう。

中庭によってリビングとダイニングが完全に独立されているので、リビングで自分1人の自由な時間が過ごせる点も、このプランの特徴といえます。

写真付きで施工事例をチェックする

中庭のある家で後悔しないためのポイント

ここでは、中庭のある家で後悔しないためのポイントを3点紹介します。

  • 生活動線がなるべく長くならないようにする
  • 適切な窓の大きさにする
  • 排水経路を確保しておく

ここからは後悔しないポイントを解説します。

生活動線がなるべく長くならないようにする

中庭のデメリットとして、生活動線の長さを前述しました。中庭があることで、室内での移動が長くなってしまうケースがあります。

生活動線の距離をなるべく短く設計し、寝室からトイレの距離、キッチンからダイニングの通路などの生活動線に配慮した住まいにしましょう。

適切な窓の大きさにする

窓の大きさにも、配慮が必要です。自然光を取り入れようと窓を大きくし過ぎてしまうと、耐震補強などが必要となる場合があります。

また、適切な場所に窓を設置しなければ、採光や通気条件の悪い中庭になり、窓の大きさ次第では、電気代がかかる住まいとなりかねません。

中庭のある家に限った話ではありませんが、新築住宅を建てる際には窓の大きさに注意する必要があります。

排水経路を確保しておく

中庭は外部と接触しているスペースが限られている分、熱や湿気、雨水がこもりがちになる点を前述しました。

そのため、排水経路をしっかりと確保しなければ、大雨時に中庭が浸水してしまうおそれがあります。

排水経路の確保は、中庭がない場合でも注意すべきポイントですが、中庭がある場合には特に中庭部分の排水経路まで気を配りましょう。

中庭のある家に関するよくある質問

中庭のある家に関するよくある質問を、下記の3点から紹介します。

  • 中庭はどの形が一番いい?
  • 中庭のある家は大雨や湿気に弱い?
  • 中庭の広さはどれくらいがいい?

それぞれ回答します。

中庭はどの形が一番いい?

中庭の種類を3つ解説しましたが、どの中庭にもメリット・デメリットがあり、どれが1番とはいい切れません。

それぞれの特徴を十分に理解し、自分に合った中庭を選択しましょう。

中庭のある家は大雨や湿気に弱い?

中庭のある家は、外庭に比べると大雨や湿気に注意が必要です。

大雨の際に排水経路の確保が不十分だと、浸水の要因になってしまいます。また、外部に接している面が少ないと、湿気がこもりやすくなってしまいます。

したがって、排水経路や湿気の逃げ道を確保しておきましょう。

中庭の広さはどれくらいがいい?

中庭のある家は、一般的な四角の家よりも広い敷地が必要です。あまり広くない敷地で中庭を配置してしまうと、居住空間の少ない家になってしまいます。

プライバシーが保護されるため、近年では都心部や狭小地でも中庭のある家が増えていますが、一定の広さを持った敷地が好ましいといえるでしょう。

中庭のある家にするなら自分に合った形を選ぼう

中庭には、家のあらゆる方向でも自然光が取り入れられ、子供を安心して遊ばせられるというメリットがあります。

一方、建築費用や排水などのデメリットもあるので、メリット・デメリットをしっかりと理解しておきましょう。

中庭にはいくつかの種類があり、特徴も異なります。それぞれの特徴から、自分に合った中庭のタイプを検討することが大切です。

アイフルホームでは、最適な家づくりのプランを提案いたします。住宅ローンや資金計画などのご相談も承りますので、ぜひアイフルホームへお問い合わせください。

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※金利や制度は2023年6月時点のものです。

コラム監修者情報

木場昌也

二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟

入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。

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