マンションと戸建てはどちらが良い?メリット・デメリットや資産価値で比較
マイホームを購入したい場合、マンションと戸建てのどちらが良いか悩むことがあるでしょう。
マンションと戸建てにはそれぞれメリット・デメリットがあるため、「どちらが良い」と一言で決められるものではありません。
この記事では、マンションと戸建てのメリット・デメリットに加えて、費用や資産価値、住みやすさの違いなども解説していきます。
【この記事でわかること】
- マンションと戸建てのメリット・デメリット
- マンションと戸建ての費用と資産価値の比較
- マンションと戸建ての住みやすさの違い
マンションと戸建てはどちらが良い?
マンションと戸建てはどちらにも良いところはありますが、選ぶ上では自分にとって優先させたいことを明確にするのがポイントです。
そして、優先順位が決まったら、それに従ってそれぞれのメリット・デメリットを比較しながら自分に適した方を選びましょう。
マンションのメリット・デメリット
ここでは、マンションのメリット・デメリットについて紹介します。
まずは、マンションのメリット・デメリットを比較表にまとめました。
メリット | デメリット |
比較的利便性が高い | プライバシーや音の問題が気になる |
管理や清掃の手間が少ない | 室内の面積が狭い |
セキュリティ面が安心 | 管理費や修繕積立費などの固定費が必要 |
売却や賃貸など将来転用しやすい | 駐車場費用が別にかかる |
自家用車がそれほど必要ではなくなる | リフォームしにくい |
続いて、マンションのメリット・デメリットについて、補足しながら解説します。
- マンションのメリット
- マンションのデメリット
順番に見ていきましょう。
マンションのメリット
マンションの一番のメリットは、比較的利便性が高いことです。駅の近くや大型商業施設の近くに位置していることが多く、高齢者にとっても非常に住みやすいでしょう。
利便性が高いため、将来好条件で売却したり賃貸したりできる可能性があります。
また、マンションは室内だけの清掃で済み、戸建てのように専用の庭を手入れする必要もありません。設備管理を管理会社に全て任せられるのもメリットといえるでしょう。
マンションのデメリット
マンションの大きなデメリットは、プライバシーや音の問題が気になることです。ほとんどのマンションは、鉄筋コンクリート造で防音対策が施されていますが、それでも生活音には配慮が必要です。
戸建てに比べて、毎月発生する管理費や修繕積立費、駐車場代金などもストレスの原因になるでしょう。
平成28年度宮城県仙台市分譲マンション管理実態調査によれば、1戸あたりの管理費と修繕積立金の毎月の平均額は、それぞれ5,000〜15,000円に集中していることがわかります。
合計すると、1戸あたり毎月10,000〜30,000円負担していることになります。
戸建てのメリット・デメリット
ここでは、戸建てのメリット・デメリットについて紹介します。
まず、戸建てのメリット・デメリットを要約すると以下の通りです。
メリット | デメリット |
音の問題をマンションほど気にする必要がない | 駅からの距離が遠くなりがち |
プライバシーが確保しやすい | セキュリティリスクはマンションより高い |
管理費や修繕積立金が必要ない | 修繕する際には一括して代金が必要 |
土地が自分だけの名義になる | 設備管理や掃除が全て自己責任 |
続いて、戸建てのメリット・デメリットについて、補足しながら解説します。
- 戸建てのメリット
- 戸建てのデメリット
順番に見ていきましょう。
戸建てのメリット
戸建ての大きなメリットは、プライバシーが確保できて音の問題も気にせず生活できることです。場合によっては楽器を楽しむことも可能になるなど、マンションと比べてストレスはかなり低くなります。ただし、音の大きさを全く気にしなくて良いわけではないため注意しましょう。
戸建ての場合、管理費や修繕積立金を毎月払う必要はなく、その分を他の教育費や養育費に充てられます。
また、マンションと大きく違う点は、土地が自分の単独名義となるため、資産価値が下がりにくいことです。
土地は建物に比べて評価も下がりにくいので、住み替えせず長く住みたい人にとってはメリットといえるでしょう。
戸建てのデメリット
戸建てのデメリットでまず挙げられるのは、駅からの距離が比較的遠くなりがちなことです。
都市計画法上、駅周辺は商業地域や近隣商業地域に設定されることが多く、低層住宅専用地域は駅から少し離れたところに設定されます。
商業地域内に2階建ての住宅を建築することは可能ですが、駅近だと土地の価格が高いため予算的にも厳しくなるでしょう。
2つ目として、戸建ての場合は独立性が高い分、マンションよりも空き巣被害のリスクが高くなります。
最後に、戸建ての場合、排水などの設備管理・清掃などは全て自分でやらなければなりません。高齢になると、お庭周りの清掃などはストレスに感じられる場合もあるでしょう。
マンションと戸建てを費用・資産価値で比較
ここでは、マンションと戸建てについて費用・維持費・資産価値を具体的な数値で比較していきます。
- 購入価格
- 維持費
- 資産価値
順番に解説していきます。
購入価格
マンションと戸建てそれぞれの購入価格について、フラット35を展開している住宅金融支援機構の2021年度データで比較してみましょう。
融資区分別・所要資金の全国平均(2021年度調査)
土地付注文住宅(戸建て) | マンション | 建売住宅 |
4,455万円 | 4,528万円 | 3,605万円 |
※参考:住宅金融支援機構 2021年度フラット35利用者調査
「フラット35」の2021年度調査比較によれば、マンションの方が戸建てよりも購入金額が高くなっています。近年の駅周辺開発に伴うタワーマンションの開発などにより、マンション価格が上昇してきた結果です。
一方で、駅近などの利便性にこだわらない人にとっては、単独名義の土地付きである戸建ての方が価格的に低いことは魅力的でしょう。
維持費
マンションと戸建てで必要になる維持費を下の表で比較してみましょう。
マンション | 戸建て | |
管理費(※) | 5,000〜15,000円 | × |
修繕積立金(※) | 5,000〜15,000円 | × |
駐車場代(駐輪場代含む) | 12,000円程度 | × |
固定資産税・都市計画税 | 当初5年税額1/2 | 土地の固定資産税がマンションよりも割高 |
火災保険料 | 構造が鉄筋コンクリートで比較的安い | 構造が木造の場合は高めになりがち |
マンションは毎月、管理費・修繕積立金・駐車場代が必要となり負担が大きくなります。固定資産税や火災保険料についてはマンションの方が若干安いといえるでしょう。
トータルで考えると、戸建ての方が毎月の維持費を低く抑えられます。しかし、戸建てで大規模修繕する場合には、ある程度にまとまった金額を用意する必要があります。
資産価値
マンションと戸建てを資産価値の点で比較すると、次のような見方ができます。
- 建物:鉄筋コンクリートが主体のマンションの方が資産価値は高い
- 土地:単独名義で保有できる戸建ての方が資産価値は高い
木造の戸建て住宅の場合、30年経過すると建物の資産価値はほぼなくなりますが土地は残ります。
一方で、マンションは30年経っても建物の資産価値はまだ20年近く存続しますが、土地は単独名義ではないので戸建てのような資産価値はありません。
マンションと戸建てを住みやすさで比較
ここでは、マンションと戸建て、それぞれの住みやすさを以下の7つの点から比較していきます。
- 風通しや日当たり
- 立地の良さ
- 防音性
- 防災性
- セキュリティ面
- 設備の充実度
- 生活動線や広さ
順番に解説していきます。
風通しや日当たり
マンションは上層階になれば前方が抜けて、風通しや日当たりが良く開放感も得られるでしょう。
戸建ての場合、上層階は望めませんが窓を全方向に設置可能で、天窓や中庭を自由に設計すると風通しなども工夫できます。
立地の良さ
駅近や利便性を重視して立地を考えるのであれば、マンションが良いといえるでしょう。
しかし、郊外の自然にも触れられる環境を望む場合は、戸建ての方が適しています。
家づくりにおいては、自分がなにを優先したいかによって立地の良さは変わります。
防音性
建物自体の防音性は、開口部が少ない構造である鉄筋コンクリート造のマンションの方が高いといえるでしょう。
しかし、戸建ての場合はマンションほどの防音性能はありませんが、階下に対する騒音を心配する必要はありません。
防災性
災害に対する建物の堅牢性は、一般的にマンションの方が高いといえるでしょう。
特に、水害や津波などを想定した際、マンションの高層階には一定の安心感があります。
一方で、マンションには災害時に高層階でエレベーターが止まるリスクがありますが、戸建てにはそのようなリスクがないのはメリットです。
セキュリティ面
昨今のマンションは、防犯面において二重、三重のセキュリティが当たり前です。加えて、管理員の常駐や監視カメラによって万全のセキュリティ体制になっています。
戸建てもホームセキュリティなどが充実してきていますが、防犯性においては多少マンションが有利な面もあります。
設備の充実度
設備については、マンションも戸建てもほとんど優劣はありません。
ただし、戸建ての場合、自分の裁量で好きな設備を付けられる点が特徴です。自分好みのインターネット回線を選べるほか、趣味の娯楽施設やスタジオを造ることも可能です。
生活動線や広さ
生活動線はマンションの方がシンプルでわかりやすいという考え方がある一方、戸建ての場合はプランニングによって、自由な生活動線を確保できるでしょう。
ホームエレベータを使うことによって上下階の生活動線を上手に作れます。
広さについては、戸建ての方が多少有利でしょう。マンションは決められた面積を選ぶことしかできませんが、戸建ての場合は建築基準法の範囲内であれば自由に面積を決められます。
マンションと戸建ては自分のライフスタイルを優先しよう
ここまでマンションと戸建てを比較してきましたが、最終的には「自分がなにを優先したいのか?」を見極めることが大切です。
利便性や予算、生活環境や子供の教育環境など、マイホームを購入する際にこだわる点は人それぞれです。自分のライフスタイルを考えて、自分に合ったマイホーム選びをしましょう。
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※金利や制度は2022年12月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。