戸建の建て替えを検討する時期は?注意点や建て替えを回避する方法も解説
戸建の築年数が経過してくると、設備や外壁などさまざまな箇所が老朽化し、やがて建て替えを検討する時期を迎えます。
今回は、戸建の建て替えを検討する時期をはじめ、注意点などを中心に紹介していきます。
建て替えをご検討の方や、将来のために知っておきたい方はぜひ参考にしてください。
戸建の建て替えを検討する時期
それでは早速、戸建の建て替えを検討する時期についてご紹介しましょう。
建て替えを検討するタイミングには以下のようなケースがあります。
- 新築から30年ほど経過し老朽化が進んでいる場合
- 耐震性能を改善する必要がある場合
- ライフスタイルが変化した場合
- リフォームでは対処できない問題が発生した場合
上記の4点が建て替えを検討する目安といえるでしょう。
以下に解説していきます。
新築から30年ほど経過し老朽化が進んでいる場合
新築から約30年が経過した時点で、老朽化が進んでいる場合には建て替えを検討しましょう。
住宅は地域の環境や使用状況など、さまざまな要因によって老朽化の具合が変わるため、30年ともなれば状況次第ではかなり老朽化が進んでいることも考えられます。
老朽化が激しい場合には、構造躯体はもちろん各設備も寿命を迎えている可能性が高いため、いっそ建て替えをしてしまったほうがかえってコストが抑えられるともいえるでしょう。
耐震性能を改善する必要がある場合
耐震性に問題があり、早急に改善の必要がある場合には、建て替えを視野に入れましょう。特に検討すべきは旧耐震基準で、昭和56年5月31日までに建築確認を受けている建物の場合です。
昭和56年6月1日以降に建築確認を受けている建物は新耐震基準とされ、それまでの旧耐震基準よりも大きく耐震性が増しています。
そのため、旧耐震基準の建物は中途半端に耐震工事をするより、建て替えたほうがよいといえるでしょう。
とはいえ、新耐震基準であれば建て替えは必要ないというわけではなく、築年数が経てば老朽化は進むため、同様に検討の必要はあります。
ライフスタイルが変化した場合
ライフスタイルが変化した場合も建て替えを検討するきっかけの一つに挙げられます。
築年数とともに子供も大きくなり、独立するとそれまで賑やかだった家も静かになり、使用しなくなった部屋を持て余してしまうこともあるでしょう。
その場合、使用しない部屋の掃除や維持管理の大変さから、小規模住宅への建て替えを検討するのがおすすめです。
逆に子供が増えて部屋が必要になった場合にも、増築は耐震性にも不安が残るため、いっそのこと建て替えてしまうのもよいでしょう。
さまざまなライフスタイルの変化にも、建て替えであれば柔軟に対応が可能です。
リフォームでは対処できない問題が発生した場合
築年数が経過した戸建はリフォームも選択肢に入りますが、リフォームでは対処ができない場合は建て替えを考える必要があるでしょう。
リフォームで対処できないケースとは、やはり前述の耐震性の問題が一番に挙げられます。
他には、白アリによる被害によって柱が土台から食いつぶされている場合、リフォームよりも建て替えをした方が基礎から新築できるうえ、コストにも大きな差はないといえるでしょう。
戸建の建て替えの注意点
次は、戸建を建て替えする場合における注意点についてご紹介しましょう。
本記事では重要なポイントとして、以下の3点について解説します。
- 金利や諸費用を考慮する
- 仮住まいが発生する
- 戸建の解体にも費用がかかる
上記については建て替えにかかるコストに影響する部分のため、しっかりと把握しておきましょう。
金利や諸費用を考慮する
建て替えの際に利用する住宅ローン金利や諸費用も考慮しておきましょう。
建て替えには、建築費用はもちろんのこと、住宅ローン関連をはじめとした諸費用、新たに組む住宅ローン金利などによる返済計画についてもしっかりと考える必要があります。
また、返済期間によっても月々の返済額には大きな差が出るため、上記を含め総合的に計画し、同時に自己資金の捻出も検討のうえ、建て替えを進めていきましょう。
仮住まいが発生する
建て替えの場合には仮住まいが必要で、引き渡しまでの仮住まい費用がかかることも考慮しましょう。
建て替えは一般的に着工から3~6ヶ月の期間を要するため、その間の家賃は建て替えにかかるコストとして考えておく必要があります。
仮に建築期間が6ヶ月として、家賃が10万とすれば60万円と敷金等がかかることから、負担する金額は決して安くありません。
近くに実家があり、仮住まいのスペースが確保できるなど特別な事情がない限り、上記仮住まいについては事前に下調べしておく必要があるといえます。
戸建の解体にも費用がかかる
建て替えにはそれまで住んでいた戸建の解体費用がかかります。
また解体工事には、法改正(※)によってアスベストの含有調査および除去にかかる費用も別途必要になる場合もあるため注意が必要です。
したがって、解体工事する場合は複数社での見積を取ることと、万が一アスベストの除去が必要になった場合にかかる費用の予測についても併せて確認しましょう。
※参考:環境省「改正大気汚染防止法について(令和2年度)」
戸建の建て替えを回避する方法
ここまで、戸建の建て替えを前提に紹介してきましたが、次は戸建の建て替えを回避する方法についても解説していきます。
- こまめにメンテナンスする
- 部分的にリフォームする
戸建の建て替えを回避する方法としては、上記の2点が重要なポイントといえます。
建て替えを検討している方は、併せて参考にしてください。
こまめにメンテナンスする
こまめなメンテナンスを心がけることで、戸建の寿命を延ばせるでしょう。
基礎、外壁、屋根、住宅内部の設備など、メンテナンスの箇所は多岐に渡りますが、老朽化した部分を放置するほど悪化し、建て替えざるを得ない状況となります。
そのため、点検業者などに依頼して定期的に戸建の状態を確認し、必要に応じてメンテナンスを施す習慣を忘れないようにすることが重要です。
部分的にリフォームする
メンテナンスに加え、必要に応じてリフォームも行うことをおすすめします。
ただし、大規模なリフォームは費用も高額になるため、修理が必要な箇所のみ個別にリフォームすることで、コストを抑えながら戸建の維持管理が可能です。部分的なリフォームを検討する際は、該当箇所周辺にもリフォームが必要な部分はないか点検のうえ行いましょう。
戸建の建て替えに関するよくある質問
戸建の建て替えに関するよくある質問についてまとめました。
戸建を建て替えるべきタイミングと、建て替えができる状況が合わない場合もあるため、来たるべき時に備えて知っておくべきポイントがあります。
- 戸建を建て替えたいけどお金がない場合の選択肢は?
- 新築と建て替えの流れの違いは?
- 建て替えで必要になる費用の種類は?
本記事では、特に知っておくべき上記3点にポイントを絞って解説します。
戸建を建て替えたいけどお金がない場合の選択肢は?
戸建を建て替えたいがお金がない場合は、多くの方は住宅ローンによる借入れを検討することでしょう。
ただし、住宅ローンを利用する場合でも自己資金があるほうが、審査にも有利であるうえ、資金計画にも余裕が出ることは事実です。
とはいえ、自己資金がなければ住宅ローンが組めないわけではなく、住宅ローンや建築費用にかかる諸費用についても併せて借りられる金融機関も多く存在します。金融機関ですべての資金調達ができなかった場合でも、信販系のサポートローンを併用することで調達も可能です。
したがって、お金がないからと諦めず、さまざまな金融機関に相談してみることをおすすめします。
新築と建て替えの流れの違いは?
新築と建て替えの違いについては、建物を新築するという意味では同じです。
ただし一般的な新築と違い、建て替えでは着工前に確実に必要な流れがあります。
- 仮住まいへの引っ越し
- 解体工事
- 建物の滅失登記
上記が新築にはなく建て替えには必要な行程です。
ただし、新築とは違って土地の取得費用は必要ないことから、その点は建て替えの大きな利点といえるでしょう。
建て替えで必要になる費用の種類は?
建て替えで必要となる費用の種類については以下のとおりです。
- 新築工事
- 建築付帯工事(上下水・足場・建築確認など)
- 外構工事
- 解体工事
- 滅失登記費用
- 引っ越し費用(2回分)
- 住宅ローン事務手数料
- 住宅ローン保証料
- 登記費用
- 火災保険料
前述のとおり、建て替えの場合は引っ越し費用が余分にかかり、解体工事や滅失登記が必要になる点が新築との違いです。
戸建の建て替えは時期を考慮して行おう
ここまで、戸建の建て替え時期の目安や注意点を中心に紹介してきました。
建て替えに至るまでの維持管理方法によって、戸建の寿命を延ばせる可能性がある点についてもご参考いただけたのではないでしょうか。
戸建の建て替えは時期が重要となるため、よく考慮して進めていきましょう。
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※金利や制度は2022年9月時点のものです。
コラム監修者情報
木場昌也
二級建築士/ 1級施工管理技士
【現場管理】注文住宅・店舗 110棟
【販売】注文住宅 79棟
入社歴23年。8年現場監督経験を経て営業職に。
震災後は県内の品質管理、着工数の平準化を図るため工事管理職に従事。また注文住宅の安定供給、品質賞の受賞に携わる。
その後、ZEH普及、高気密・高断熱商品の開発、販売、店長職を兼任。